甘やかしてくれるのはいつも阿部ちゃん。〜短編

本編。 ページ1

「阿部ちゃん」

「なんかあったんでしょ？どうした？」

阿部ちゃんはいつも私の少しの変化に気づい

てくれる。

「おいで？」

そう言って手を広げてくる阿部ちゃん。

「阿部ちゃん、大好き」

勢い余って抱きついたせいで阿部ちゃんの

鍛えられたことにより硬くなった胸筋に

顔面をぶつけた。

「ちょ、A顔面強打、大丈夫？(笑)」

一旦は私を抱きしめた腕が、解けていく。

覗き込まれる顔。

近くで見る阿部ちゃんはあまりにも綺麗で、

かっこよくて。

「A顔真っ赤(笑)やっぱぶつけて顔痛いんじゃない？」

違う。

この赤みはきっと、ぶつけたことで赤くなっ

てるんじゃなくて、阿部ちゃんに対して照れてるか

らなのに。

「ばか」

解けてしまった手をもう一度回してほしい。

そんな気持ちを込めてまた阿部ちゃんに抱きついて

みる。

「バカは傷つくな〜(笑)」

そう言いながらも、私の思惑通り長く、細い

でも男らしさのある腕を私に回してきてくれる。

「何があったか分からないけど、俺はいつでもAの味方だからね」

宥めるように私の頭を撫でて行く、阿部ちゃんの手のひら。

好きとは言わない。

でも、この時間が永遠に続いてほしいと願う。


"甘やかしてくれるのはいつも阿部ちゃん"

おまけ。→

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