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【A】
最近総ちゃんと二人きりになるとろくなことが無い。
少し前までは二人きりっていう空間が嬉しくて嬉しくて仕方なかったのにな。
沖田「……おい」
A「どうしたの?総ちゃん」
沖田「なんでィこの距離は」
私と総ちゃんの距離はわずか2m。
そう、2m。
私的にはもっと離れてもいいくらいだ。
A「……最近の総ちゃんとは喧嘩しかしてないし」
沖田「喧嘩の発端はAじゃねぇか」
A「ほらね。こうなるから嫌なの」
私は立ち止まった。
それに合わせて総ちゃんも足を止める。
こんなにも総ちゃんとぶつかり合うなんて初めてだ。
それはきっと、"本当の私"が出てきてしまったから。
総ちゃんのためにと作ってきた"従順な私"は最近は家出状態。
沖田「……俺がなんでこんなきつく言ってんのか分かってねぇようだな」
総ちゃんは呆れたと言わんばかりに吐き捨てた。
総ちゃんに言われなくたってそんなの分かってる。
総ちゃんは所詮傍観者だ。
だから総ちゃんもみんなと一緒で神威くんの噂だけに惑わされて彼を嫌っている。
神威くんと一緒にいる私が嫌というのならば、それは"本当の私"を好きにならないという証拠だ。
それともなに?
総ちゃんはそれ以外に私を止める理由あるの?
総ちゃんは意地悪だ。
そんなに止められたら────────神威くんと仲良くしてる私に嫉妬しているのか、なんて勘違いしちゃうでしょ。
沖田「A、一度しか言わねぇから良く聞いとけ」
総ちゃんはそういうと私の腕を引っ張った。
総ちゃんとの距離が一気に縮まり至近距離で真っ直ぐに見つめられる。
目を逸らしたくても逸らせなくて、視界いっぱいに総ちゃんが広がった。
A「離してよ」
沖田「まだ分かんねぇのか」
総ちゃんは低い声で、はっきりと言い放った。
沖田「Aのことはな、テメェのこと以上に大事なんでィ。ずっと一緒に育ってきて易々と野郎に渡せると思ってんのか?」
A「な、何言って────」
沖田「お前が好きだから、だから心配してんだ」
私は目を見開いた。
予想外の言葉に頭が混乱してしまう。
でも、その言葉はまた私を深く傷つけた。
沖田「俺とお前は"幼なじみ"だろ?」
それが総ちゃんの答えだ。
私と総ちゃんは幼なじみ。
だから総ちゃんの"好き"は、ただの情で出来ている。
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瑠々亜(プロフ) - literarymastertさん» コメントありがとうございます。更新頻度が遅れてしまって申し訳ないです(><)素敵なカップルを書けるよう頑張ります! (2018年10月1日 23時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
literarymastert(プロフ) - こういうカップル好きです!笑ニヤニヤしながら見てます!!更新頑張ってください!笑 (2018年10月1日 23時) (レス) id: 2fed73faab (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 蛍さん» コメントありがとうございます。ここ数日忙しくて更新めっちゃ遅れてますが、皆さんの温かいコメントを頼りに更新頑張ります! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
蛍 - 神威くんと夢主ちゃんが可愛いすぎて辛いです!!更新大変だと思いますが頑張ってください!これからも応援してます^^ (2018年9月26日 20時) (レス) id: e7281059f9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ティアーさん» コメントありがとうございます。もう高評価して頂けただけでも大満足です(T_T)ご期待に添えるような作品になるよう更新頑張ります! (2018年9月25日 13時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年9月12日 20時