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cherry blossom ページ1
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小さな駅のホーム 並んで座るといっぱいいっぱいになるベンチ 、
今日でこの街ともおさらばだ ふと顔を上げると線路の向こうには 満開の桜
隣に座っていた恋人も気付いたのか 歓喜の声を上げる
｢ わー！ 薮！すっごいね！ 俺ここから桜が見えるなんて知らなかった ！ ｣
嬉しそうに足をふらつかせる光を横目に俺は諦めきれない思いを口にする
『 光さ、 やっぱり ここに残りたい？ 』
俺と光はこの街で生まれて この街で育って この街で恋に落ちた 思い深い場所なのは分かってはいた
俺の就職先はここから電車で何時間もかかる場所、 働くならいい場所と言った俺の意見を 採用しての選択だった 、 光は行かないで とも言わずに隣で笑っているだけだった
俺は何回も光に聞いた 一緒に行かないかと 、 一緒に向こうで住まないかと
でも光は生まれ育った場所を離れたくはないのか 首を縦には振らなかった
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作者名：幾夜 | 作成日時：2018年1月4日 10時
