あの子は何色？ 【国見英】

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｢なかなかに面白い反応をしますね
あなた｣


後ろからいきなり話しかけられ体が硬直する。
そしてめちゃくちゃにびっくりした。

晴来『びっくりドンキー…』

｢私の作品に目を引かれたようですね、いいセンスです。｣

まるで上から目線な発言、少しイラついた。
絵を描いている人はユーモアがすごく、変なことを言うことが多いと聞いたことがあるけど。
この人のような事例なのではないだろうか

私は疑いの目をかけた、


｢どうですか？私の絵、まだまだ新米の画家なんですよね…ここは先生の個展ですが、私はもともと教え子でして、特別に出してもらっているんですよ｣

聞いてもいない情報をボコボコと投げられているようだ。
なんなんだこの人…なんなんだ一体



｢絵は好きですか？｣

晴来『え？』

よく分からない。この生命体
そして私の苦手な部類の人間だ、ペラペラと一気に言葉を投げてくる。

仕舞いにはどうだ、唐突な質問

｢好きだからこの個展に来たんですよね？
それとも、なにかあったのでここに来られたとか？｣

『それ、は｢それとも、絵は好き"だった"からとか｣

｢図星ですか？｣


晴来『…絵が上手いから連れてこられたんです。
絵が、上手いのに勿体ない、から』



私は絵の才能があるんだろう。

褒められてきた。ずっと

｢才能を、無駄にしてしまっていると言われてしまったんですね。｣


その通り、美術の先生が言いたいことは多分

そういうことだ。

｢芸術は爆発だ
そんな言葉、ありますけど実際そういうことでは無いんですよ。
発想と技術がまず必要ですからね｣

晴来『ですよね』

悟ってしまったかもしれない。この業界は決して優しくは無い。
分かってる

｢爆発はしませんけど、自由ですよ｣

晴来『自由、ですか？』


｢はい、この絵もそうです。自分の伝えたいことを絵に表す。それだけです

発想と技術、それがあれば｣





飛べますよ、空

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