. ページ2
.
｢いい加減にしてよ酔っ払い｣
｢タクシー２台お願いします〜｣
｢先輩が横にいるせいで豪快に吐けなくなってんの可哀想…｣
｢3件目誰か行く人ー！｣
案の定、合コンの二次会は修羅場と化す。とはいえ、お互いに惹かれあった男女は一次会で抜け二次会はただ酒に溺れたい人、または暇な人だけが残る。
｢終電間に合わないから先帰るね｣
私はある程度の酔っ払いの介抱と、片付けを済ませたら帰ってしまう。
薄情だと同期に泣きつかれることも少なくは無いのだが
｢助けて…ブツが…ゲロが…｣
｢頼むよ、今度高いワイン奢るって！｣
｢物で釣ろうとしてる時点で無理だってば！｣
幹部はあなた達だろうと一括して駅へ向かう。
｢Aちゃん、もう終電って早くない？｣
｢あーあの子家遠いんだよ、県またいで田舎の方だとさ、1個前の電車には乗らないと1時近いだろうし｣
｢え、大変じゃんそこまでして引っ越さないんだ｣
｢なんかあんじゃないの、知らんけど｣
駅に着いたら、必ず自販のミルクティーを買って電車の中で飲む。大抵、家に着く頃には飲みきってしまう。
履きなれた3cmのハイヒールといえど、10時間以上履いてたら流石に疲れる。
周りに見えるのは古い家、たった1本の電柱、それに群がる蛾と変な虫、そして階段を登れば私の家
誰もが田舎と思うだろう、実家住まいで今の今まで恋人がいたなんて信じられないほど、住む場所は古臭く所々破れた障子たち
縁側を通って、2階に上がれば私の部屋
｢お、まじかやっと帰ってきたじゃん｣
なんで引っ越さないかも、メルアドを高校時代から変えないのも、いつか遊んだレトロゲームも、捨てられない、
全部理由があって、変えなかった、捨てなかった。
｢よ、ヨッスー
テツクンダヨー？｣
このバカの為に
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なぅ | 作成日時：2024年3月5日 22時
