春の予兆【sik】 (ページ1)

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3年付き合っていた彼氏と別れた。

それを聞いた会社の同期は、私のためという名目で合コンを開いてくれた。
もちろん強制参加に決まってる。

同情は嬉しかなかった、合コンだってお節介だとしか思えなかった。

｢結局ダシに使われちゃった…｣
｢いやまあドンマイ、とりあえず飲めよ｣

ここは奢りだから、とお酒を勧めてくれたのは同じ部署に配属している先輩だった。
先輩はいかにも仕事が出来る人で、私よりも成績も残していることで営業の女の子達からモテモテだったことを思い出す。

｢あ、いーよ？この子持ち帰ってもらって、見ての通り傷心中…でもないか、｣
｢ビール飲もうよ、こういう時は、ホルモン食べて、ビール飲もう！｣

｢ほんと超下品、ハイボールあるからいらないし｣

一緒に話に混ざってきたのは紛れもないこの合コンを開いたウザイ同期女二人だ。質問攻めにあうことは想定してる。

｢元彼とは喧嘩別れ？あ、ビールもうひとつくださーい！｣
｢いや、そうでも無いかな｣
｢円満にってこと？ビール飲む？｣
｢いや、愛想尽きたっていうか…｣
｢あーダメダメ、この子元彼のこと好きじゃなかったもん｣
｢え、もしかしてAちゃん超クズなの？｣
｢どうしてもって言われたら付き合うしかないじゃないですか…｣
｢でも元彼と付き合うまで恋愛してこなかったんでしょ？なんでよ｣

｢いや、忘れられないって言うか…｣