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理想.5 ページ6

何故そんなことを聞くのだ、と私は疑いをかけた。

普通に怖いと思った。今の状況において国見くんからのその問いかけは、恐怖でしか無かったから。


問いかけた答えは「石川達がそんなこと話してたから」

『え、それだけ?』

国見「うんそれだけ」

誤魔化して聞いているのか、とも考えたけれど国見くんの表情を見ても全くそんな感じには見えないのでそう考えるのはやめた。

上辺の表情を保つのは得意なのかな、そういえば私は国見くんの笑顔を見た事がない。どういう顔をしているのだろう。


『…せめていえば、落ち着いてる人かな』

そう言えば、目を少し見開きびっくりした様子に見えた。

国見「…てっきり、石川と付き合ってるのかと思ってたんだけど。」


国見くんは言う。そのまま、嘘は言っていないとは思うがその無表情がどうも気になっていた。
…いやそんなこと今はどうでもいいとにかく


は???



『石川と私が??どういうこと??』


国見「いや、だから」

途中まで言いかけた、がなにか言いづらそうにして口を閉じる。

そして、冒頭に戻る。




国見「Aさんってさー、意外と鈍感?」

状況が整理されたところで、またよりいっそう考える。国見くんの言う"鈍感"とは

自慢じゃないが、私はろくでもない兄を見てなるべく賢く生きてきたつもりだった。それで私に突きつけられる鈍い、はだいぶ重かったんだと思う。


『どういう意味?』

国見「…」

国見くんは何も言わず、なにか私を観察しているようだった。そして、その目はあまり好きではなかった。




結局、国見くんは何も答えてくれず応えが来る前には委員会の仕事は片付けられてしまった。

国見「じゃ、俺はもう帰るね」

『…うん、手伝ってくれてありがと』


そう言って彼の少し猫背な背中は見えなくなってしまったし、決定的な答えは見つからなかった。
でもひとつ、国見くんが言っていたことに気になる節があった。



もう少ししたら分かるんじゃない




それがどうも、不幸の予感がするのだ。

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作者名:なぅ | 作成日時:2023年5月18日 21時

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