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「あれAちゃん?」
『え…あ、及川さん』
制服姿の及川さん
会うのは中学の頃以来か…
「今帰り?送ってくよ〜」
『いや…大丈夫です』
「そんなこと言わないで、ね?」
月曜日が休みでよかった〜と、言いながら私の隣を歩き始めた
及川さんは女子に人気だし…見られたらと思うと怖いんだけどな
でも、なんか安心しちゃうな
「Aちゃん、彼氏できたりしてないでしょうね??」
『できませんよ』
「だってAちゃんは俺のことが好きだもんね!」
『いや、好きになった覚えはないですね』
「え〜」
あ…なんか久々な気がする
誰かとこんな風に話すの
何も考えずに話すのってこんな楽で、楽しいんだな
ほんとに自分は暗くなってしまったのだと改めて確信した
「Aちゃん」
『はい』
「辛かったら俺のところにおいでよ」
及川さんの顔を見ると、らしくない顔をしていた
そんな泣きそうな顔しちゃダメですよ
「俺はAちゃんのことずっと好きだからね」
『…及川さん』
「もう、Aちゃんはいつも無理するんだから」
止まって欲しい涙が溢れて溢れて止まらない
「無理しないでよ」
『ごめんなさい…』
「謝らないで…Aはなんも悪くない」
及川さんは優しく私を抱きしめてくれた
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作者名:レサ汰 | 作成日時:2020年2月16日 22時