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*
このままではダメってこと
私が1番分かっている
でも
私は何もできない
バレー部から離れることしかできない
「な、A」
だから
そんな、
恨みを持ってないような笑顔で私に話しかけないで
『…』
「…元気か?」
『うん』
「クラス違うと会わねぇな」
放課後、廊下でばったり会って
お互い目が合って二人共自然と足が止まっていた
_田中龍之介
「テストどうよ?俺やばかったわ〜って言わなくても分かるか」
『そ、うか』
普通に接してくれてるのに、私はぎこちない返事しかできない
なんでなんだろ
「…えーっと」
『無理に、話さなくていいよ』
「別に無理はしてねぇよ」
ほら、優しいからね
ずっと笑顔で話しかけてくれてるけど、その笑顔がほんとの笑顔じゃないことは分かってるんだよ
私なんて嘘でも笑えなくなっちゃったけどね
「俺は純粋にAと喋りたいだけだ」
『…そっか』
嘘でも嬉しいよ
でも、嘘なんて言う人じゃないのはよく知ってる
私にそんな有難い言葉をくれたらダメだよ
「A、俺待ってるからな」
『…』
「ま、みんな待ってんだぜ」
『…でも』
「お前のでもは嫌いだ。いっつもネガティブな事言うようになっちまって」
じゃあなって歩いて行く久々に見る後ろ姿が、私の胸を痛めつけた
*
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作者名:レサ汰 | 作成日時:2020年2月16日 22時