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カチャカチャと智くんが皿を洗う後ろ姿を見ながら麦茶を飲む。
･･････なんでコイツ、皿洗う時白いエプロンするんだろ。
なんでフリフリの白いエプロンするんだろ。
翔「････可愛い女の子だったら最高に萌える後ろ姿なのにな･････」
智「翔くんまた、心の声ダダ漏れだよ」
智くんが振り返ってハハ、と笑う。
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翔「智くん、綺麗な女優さんやアイドルに誘われたりしねぇの？」
智「する」
翔「たまには飯でも食ってきたらいいのに」
智「やだよ緊張するじゃん」
智くんが白いフリフリエプロンを台所の棚の取っ手にかけた。
智「さてと。風呂行く？」
黄ばんだタオルで濡れた手を拭く智くんに、バスタオルを放り投げた。
智「翔ちゃんこそさ、彼女作ればいいじゃん」
翔「学校でモテにモテてます」
智「ハハ笑、だろね」
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俺達は徒歩３分の銭湯へ向かう。
ペタペタと健康サンダルを履いて歩くこの男が、大野智。だと気付かれることは
１００％ない。
俺くらいの芸能人になるとさ、オーラを消すって自由自在なんだよネ☆と
ウインクするけれど、そもそもオーラがないんだろ。と思う。
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智くんの人徳と器用さと運がもたらした選択肢はきっと星の数ほどあって
その中から今の仕事を選んだのは、一番稼げるから。だ。
才能はあったんだろう。努力もしたんだろう。
今の俳優としての地位を全て受け身で得たわけじゃないのは分かってる。
だけどこの男が自ら望めたら、きっと、芸能界なんて選ばなかった。
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なんて言ったら「翔ちゃんの話すこと難しくてわかんねぇよ」って笑うんだろう。
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俺達は１８歳から今まで
彼女を作らない。
家族を作らない。
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この先もずっとずっと、俺達はど貧乏で、２人きりだ。
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もう。誰も。巻き込んで不幸にしたくない。
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智「･････あの二人、なんか、変じゃない？」
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銭湯を目の前にした時、智くんの足がピタリと止まった。
智くんの視線の先には、この街同様古ぼけた小さな公園のベンチに座る
男女が、いた。
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なるちゃん(プロフ) - すごい。まるで映画のようだ！ (2017年3月23日 8時) (
レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ももも(プロフ) - 初めまして。ある方からの紹介で読ませていただきました。オイシイアイを読ませていただきました。涙が止まりません。本当に素敵なお話で感動しました。一瞬で貴方様のファンなりました。大好きです。 (2015年8月9日 21時) (レス) id: 73a4577f66 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - 読んでて最後まで読みながらだんだん口がぽっかーん。驚愕すぎて、ニノの話を置きながらこんな風に繋がって…すごい…すごすぎる。心にすんごいしみました。切ない。叶わない兄弟愛…。それに相葉ちゃん。結婚式で逮捕なんて…。もう涙が溢れそうです。 (2015年6月16日 22時) (レス) id: ee48ebbedd (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 何とも言えないくらい、染み込みました。二宮さんの話からこんなふうに、綴られたお話に切ない気持ちで一杯です。 (2015年2月12日 11時) (レス) id: 404997240f (このIDを非表示/違反報告)
mahiru(プロフ) - お話の底辺にある二宮さん。せつなかったです。読み進める度に感動と、切なさと、儚さと染みました。瀬音さんの世界観があまりにも広くてびっくりしてしまいました。また読みにきます！！ (2014年11月20日 2時) (レス) id: 9bfa1875f0 (このIDを非表示/違反報告)
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