じゅうにせんち ページ12
.
「ちょ1回よしよしやってみてい？」
『…えっ』
「うわ嫌そうな顔！」
『あ、いや、なんていうか…、嫌です』
「嫌なんかい」
「与田さん樹の扱い上手いね？センスあるよ」
「樹の専属になる？」
「あ、また嫌そうな顔した！」
…面白いな、みんな
話をするのも聞くのも上手で、
人見知りのわたしでさえ数分あれば馴染めちゃうほど。
「やっぱさ、こーゆー集まりには恋バナ必須じゃね？」
「うわ、彼女欲しーー！」
「田中らって恋バナとかできんの？」
「馬鹿にすんなよ、恋バナぐらいできるわ」
「ジェシーの恋バナよく聞いてるしね」
…え？ ジェシーくんの恋バナ？
ふと京本くんが落とした爆弾発言に、遼ちゃんと2人で顔を見合わせた。
「ちょ、きょも」
「え？ なんで？ ダメだった？」
…ジェシーくん、好きな人いたんだ
やだな…
前は付き合うなんて考えたこともないって言ってたくせに、今はその子への嫉妬で一瞬で胸がいっぱいになる。
「ルイス好きな人いたんだ？」
「あ…うん､ 」
遼ちゃんからの質問に、少し浮かない顔でそう答えたジェシーくん。
…そうだよね、
好きな人の話なんてされたくないよね。
ましてや、そんなに仲良くないわたしには、余計に知られたくないに決まってる。
『…遼ちゃん、そろそろ帰ろう？ 課題もあるし』
「ん？ あーそうだね、帰ろっか」
「えっもう帰んの？ 早くね？」
「うちら課題一緒にやるから。ルイスも明日提出のやつ忘れないようにね」
「あ、うん、ありがとう」
さっきまでの明るい雰囲気とは違う、気まづい空気の中
既にぬるくなった残りのフラペチーノと、重いスクールバッグを肩にかけて立ち上がる。
「Aちゃん、また明日ね」
『………うん､ 』
いつもはオウム返しするその言葉も、何となく今日は言わなかった。
田中くん達は元気に見送ってくれたのに、ジェシーくんはずっと俯いたままで
ただ帰る時の、彼の寂しそうな表情だけが、その日 眠る時までずっと頭に残っていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1889人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遥(プロフ) - すごいドキドキしました！！続き可能であればまた読みたいです！楽しみにしています (4月23日 21時) (
レス) @page28 id: 86e2632604 (このIDを非表示/違反報告)
maundy(プロフ) - きゃー！！きましたね！ドキドキの展開‼️続きめちゃくちゃ気になります！いつもキュンをありがとうございます^_^ (12月9日 17時) (レス) @page27 id: 0a6eebb885 (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います！素敵なお話読ませて頂きありがとう御座います‼️続き楽しみにお待ちしてます😆 (12月9日 13時) (レス) @page27 id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
maundy(プロフ) - めっちゃキュンキュンします〜続き楽しみに読ませていただきます！ (10月2日 8時) (レス) @page15 id: 0a6eebb885 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンボリー優吾 - めっちゃ面白いです!続き待ってます！!頑張ってください！ (9月22日 9時) (レス) @page8 id: d431eeff82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にこ x他1人 | 作成日時：2023年9月13日 14時
