・ ページ8
『こんなこと言ったあとに、言うことじゃないかもなんだけど...』
また、沈黙を破ったのは樹くんだった。
気まずくならないように話題を振ってくれてるような彼の姿に
申し訳ない気持ちで一杯になる。
『今日って北斗もいた方が良かった？』
「...え、」
どうしてそんなこと聞くんだろう
確かに、”北斗も来てよ〜”なんて言ったことは事実だけど
樹くんと２人だけのこの空間はずっと求めて、望んでいたこと。
そう思うと、この答えはきっと”はい”じゃない
「いや、そんなことないですよ..」
『俺と２人だけでもいい..？てか、俺と２人だけで嬉しい？』
「...え..？」
さっきから、彼の質問に咄嗟に出る一言でしか返事ができない。
何を意図して聞いてくるのかも全然わからない
戸惑ってしまうけど、もうここまでくると後には引けず
素直な気持ちをぶつけることにした。
「..はい、めっちゃ、嬉しいです」
『俺さ、Aちゃんのこと好きだよ。』
「.......はい？」
自分でも驚くほど情けない声が出た。
今までの沈黙で静かだった時間を取り戻すかのように
次から次へと話題を出す彼に追いつけない。
『会った時から、ずっと可愛いなって思ってたしずっと好きだった、よ』
「..えっと、」
『俺も北斗の気持ちに気付いてるけど北斗も俺の気持ちに気付いてると思う』
「.....」
『でも俺もAちゃんのことは絶対譲れないからさ、告白さして』
”告白さして”
そんなことを言って、宣言する人は初めて見た。
同時に、樹くんらしいななんて思い少しだけ緊張も緩まる。
『俺と、付き合ってください』
樹くんのその言葉が、何度も頭の中で繰り返される。
幸せな言葉だった
ずっと欲しかったものを手に入れたような感覚。
答えは決まっているのに少しだけ焦らしてみたくなって
「..私でいいんですか？」
なんて言った。
『Aちゃんじゃないと俺、もうムリっぽいんだよね』
「私、難しい性格してますよ？」
『それは俺も負けない自信ある、何なら勝負する..？』
「確かに、私が負けそうなんで遠慮します」
『..え？それは酷すぎない..？...彼女さん』
「そんなことないですよ、...彼氏..さん」
お互い照れながらも
今私はこうして樹くんの彼女になった。
北斗から樹くんに”おめでとう。幸せにしてやれよ”なんて
連絡が来るのはもう少し後のお話。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RIERU - 3ina3iさん» 初めまして〜！🎶暖かいコメントありがとうございます💭💓ゆっくり更新していきますので今後ともよろしくお願いします🤍✊🏻 (2022年5月1日 19時) (
レス) id: bda641f42d (このIDを非表示/違反報告)
3ina3i(プロフ) - ドキドキしながら続き待ってます！楽しみです🎵 (2022年5月1日 19時) (レス) @page33 id: e332f17bbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RIERU | 作成日時：2020年11月11日 16時
