要らない優しさ ページ44
『べーして』
そんなジェシーの一言で始まるこのキスが私の体を火照らせる
重なる唇に徐々にもどかしく反応することに比例するような彼の肌の温かさを
少しずつ感じて、淡い雰囲気に包まれた
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『え、浮気？！』
「...そう、なの」
グラスに入った氷をカラカラとストローでかき混ぜていた手を止め
私の思いもよらないであろう告白に
目や口を大きく開ける友達のリサ
パスタやパンを前にこんなオシャレなカフェで話す内容じゃないことは
分かっていた
『うっそ、なんで？本当に？』
「本当だよ」
『なんで？樹くんとあんなに仲良いのに』
「そう見える？」
『見えるよ、樹くんってAのこと大好きじゃん』
やっぱり、第三者から見ると私たちは仲良しのカップルらしい
彼氏の樹は、人当たりが良くて誰にでも優しい
一緒に居ると面白いし落ち着くのだって事実
だけど、そんな彼の優しさが私を苦しめる
「そっか、話聞いてくれてありがとねリサ！」
『え、大丈夫？Aが浮気するなんて、何かあった？』
何か、か。
きっとリサには、樹が私を傷つけることが想像出来ないんだ
「ううん、！暴露したらスッキリしちゃったし、ここ私が払うね！」
『あ、ありがとう。でもA、何かあったらいつでも相談してね』
”何かあったら”
”いつでも相談”そんな救われるはずの言葉にさえ、チクチクとした痛みが走った
樹と付き合って、もうすぐ3年になる
マンネリ化したカップルと言われればそれまで、くらいの関係になりつつあった最近
樹の様子が少しずつ変わってきた。
ずっと前から気付いていた樹の浮気
証拠が出てきたのはもう1年以上も前になる
”樹くん、昨日はありがとう。部屋汚くてごめんね”
”初めてが樹くんでよかった！また話聞いてね！”
こんな卑猥なメッセージを見つけてしまった時のショックはもちろん大きかったが、
それ以上に私の樹に対する想いの方がが大きかった。
きっと知り合いの子から、相談があるとか何とかうまく丸め込まれその子の家に遊びにいったんだろう
どこまでして、何をしたのか分からない
だけど、このまま樹を失うこと以上に辛いことはなかった私は
何も気付いてないふりを続けた
樹も樹で、浮気の証拠や怪しいことは隠そうと必死だった
それが最近では、もうほとんど隠すことさえ無くなってきている
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RIERU - 3ina3iさん» 初めまして〜！🎶暖かいコメントありがとうございます💭💓ゆっくり更新していきますので今後ともよろしくお願いします🤍✊🏻 (2022年5月1日 19時) (
レス) id: bda641f42d (このIDを非表示/違反報告)
3ina3i(プロフ) - ドキドキしながら続き待ってます！楽しみです🎵 (2022年5月1日 19時) (レス) @page33 id: e332f17bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIERU | 作成日時：2020年11月11日 16時
