ノラネコ (ページ34)

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貴「あがってきたね～！

観覧車なんて何年ぶりだろ。笑」

私たちを乗せたピンクのゴンドラはゆっくりと上に上がっていく。

身長制限とかあって絶叫系乗れなかった
小さい頃、よくお父さんとお母さんと乗ったなぁ。

あの頃は遊園地の外の景色も見れて
人がだんだん小さくなっていくのが面白くて
はしゃいでたけど
あれ、こんなに高かったっけ？
なんかちょっと怖いかも。笑

大「俺、観覧車乗ったの初めてだわ。」

向かえに座っている大我は外を見つめながら言った。

貴「もしかして…怖い？」

大「いや、全然。」

ちぇ…。

大「そっち行っていい？」

貴「うん。」

大我は立ち上がって、ゆっくり私の隣に座った。

たぶんこれを降りたら終わり。

日も落ちてきたし、もうすぐ閉園の音楽が鳴る。

2人っきりにならないほうがよかったなぁ…。

離れなくなくなってしまう。

貴「大我…、今日はずっと私といて。」

大「うん。」

私たちは遊園地を出たあと

貴「ねぇ、今日何食べたい？」

大「んー、唐揚げ。」

スーパーで夕飯の買い出しをして

貴「ただいまー！」

大我の部屋に帰ってきた。

まるで新婚夫婦みたいに。

身体で、匂いで、温もりで
大我を覚えていたかった。