ノラネコ (ページ22)

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～大我side～

お義母さんから受け取って
ソファーでテレビを見ているお義父さんの
元に行った。

大「あの…これ、どうぞ。」

父「ああ、悪いね。」

「あちっ。」と言いながらお茶を一口含む。

父「君の…ご両親はこのことを知っているのかい？」

聞かれる覚悟はしていた。
俺はまだ高校生だ。

大「父親は俺が中学のときに離婚してそこから会ってなくて
母親は…、その…、毒…親で
今は一人暮らしをしています。」

父「そうか、苦労してきたんだな。」

大「苦労…そうですね。

俺、大切なモノを作りたくなくて…
裏切られたときにダメージが大きいから。

でもAはそんな俺を大切に想ってくれて
俺より俺のことを信じてくれたんです。」

父「うちの娘、いい子だろう。」

大「はい、とても。
あの、お義父さん！俺………！」

父「まだ君にお義父さんって呼ばれたくないよ。」

大「す、すみません…」

父「僕は君を殴りたい気分だよ。」

その覚悟もできてる。
だけどAのお父さんは
怒りで握った拳を見つめてから緩めた。

父「だけどそんなことしても娘に嫌われるだけだし
僕の気持ちが晴れるわけでもないと思う。

なら、僕は娘が好きになった男を認める努力をしようと思う。
その代わり、Aを泣かしたら思いっきり殴ってやるからな。」

大「…はいっ！」

まだ認めてもらったわけじゃない。
だけどすごく嬉しかった。

俺は深く頭を下げた。