ノラネコ (ページ14)

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～大我side～

母親は17歳で俺を産んだ。
父親は5つ年上で
高校を中退して一緒に暮らし始めた。

慣れない家事、子育て
必死にこなそうとした。

けど、できなかった。

ストレスだけ溜まって自由を求め始めた。

そんな母さんを父さんは許せなくて
俺が中2のとき出ていった。

「ごめん、大我。」

最後にそれだけ言って
1度も母さんのことを見ないで行ってしまった。

これからは母さんと2人。

俺がしっかりしなきゃ。

母さんができない家事をやって
勉強も頑張った。

「京本、すごいじゃないか。
国語と音楽、学年1位だぞ。」

テストでいい点採って担任に褒められた。

大「母さん、今日テストの成績返ってきて
国語と音楽、学年で1位だったんだ。」

どこかで母さんにも褒めてもらえるって期待してた。

「そう。」

スマホに夢中で興味がまるでないと言うような
返事が返ってきた。

母さんはどうしたら俺を見てくれるんだろう。

中3の冬、ゲーセンで遊び歩いて
警察に補導された。

母さんは俺を引き取りにきてくれたけど
一緒には帰らず、タクシー代を手に握らせて

「これで、帰れるでしょ。」

って自分はまたどこかに行ってしまう。

この人に少しでも期待した俺がバカだと思った。

一番遊びたい時期に俺を産んで
周りからなんとなく孤立して辛かった反動なんだろう。

もう母さんの中に俺はいないのか。

「あー、もう最悪！！」

ある日俺は学校から帰ってきて
そのままソファーで昼寝をしてたら
母さんがイライラした様子で帰ってきた。

大「…早いね。」

時計を見るとまだ18時。
母さんがこんなに早く帰ってくるのは珍しい。

「バレたのよ、遊んでた男にあんたのことが。」

大「もうやめれば？男をとっかえひっかえ。」

「どうしようと私の勝手でしょ。」

この人は俺を産んだことを後悔してる。
愛情なんてものはない。

大「自由になりたい？」

母さんからの答えはなかった。
俺はまたこの人に期待していた。