ノラネコ (ページ13)

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° 12 . ページ13

～貴方side～

大「そろそろ帰るか。」

日も短くなってきて空気も夏から秋を感じるようになった。

起き上がった大我の後ろの髪の毛に草が付いていた。

貴「ついてるよ。笑」

可愛いな、なんて思いながら取ってあげる。

大「あ、ごめん。ありがと。」

大我がこっちを向くと意外に顔が近くて
見つめ合う。

そのままゆっくり大我の顔が近づいてきて
私は目を閉じた。

唇が触れて目を開けると
大我は恥ずかしそうに俯いてて

大「…帰るぞ！」

急に立ち上がって行ってしまう。

貴「待ってよー！」

大我のあとを追う。

貴「そんなに照れなくてもいいのに。」

耳まで真っ赤になってる。

河川敷から少し歩くとY字路にぶつかって
大我の家は右で私の家は左。

大「じゃあ…」

右に行こうとする大我の制服の裾をつまんだ。

貴「まだ一緒にいたい。」

私は左に行かず大我のあとについて
右に行った。

大我の家はキレイめな3階建てアパートだった。
階段を登っていく途中で
ダックスフンドを抱き抱えて降りてくる
女の人とすれ違った。

軽く会釈する。

貴「ねぇ、大我ペットって…」

初めて大我と話したときに
ペット禁止だからはーとを飼えないって言ってたのに…

聞こうと思ったら
もう大我は玄関を開けて待っていた。

貴「お邪魔します…」

玄関入るとすぐ台所があって
奥に部屋があって
ベッド、テレビ、テーブル、全体的に紺色で統一されてる感じ。

男の子の部屋。

でも…

貴「大我って一人暮らしだったの？」

大「うん。家族いないから。」

あっさりと答えて大我は冷蔵庫から
缶ジュースを持ってくる。

深く聞いていいのか聞かないほうがいいのか
わからなくて黙っていると
大我は話を続けてくれた。