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番外編 空に光を 1 ページ48

最初はただ、欲しいだけだった。

クロロ「喧嘩してきたのか」

クロロは私についた返り血を見て、『またか…』と言わんばかりの呆れ顔で聞く。

「あっちが悪いんだ。あいつら、私を見て何て言ったと思う?『君は腕の良い殺し屋になれる〜だから早くこんなとこから出てくるんだ〜』だってさ、まるで自分達のこと格上の身分とでも思ってるような物言いだろ。頭を低くしてないから弾丸に当たるんだって教えてあげたの」

私は頬についた血をぐい、って乱暴に拭って座れそうな瓦礫を見つけて腰掛ける。

クロロ「…はぁ…確かに間違ってないがA、お前はちょっと短気すぎる」

保護者クロロは額に手をあて、質量の重そうな溜め息を吐き、それから今月で5回目だぞ、と鋭い目で私に訴えかけた。

「ぐっ…確かにそれは……自重する」

その目に気圧されたのと、痛いところを突かれたので口元にだけ笑みを浮かべて俯き、反省する姿勢を見せておく。や、別に本当に反省してないわけじゃないけど。

クロロ「それにしても、最近は直々に勧誘してくる馬鹿が増えたな」

この前、マフィアが殺し屋として育てるために流星街(ここ)で一人の少年を拐った。どうやらそいつらは、ここでの掟をわかっていない連中だったそうだ。過ちに気付いたのは復讐をされてから。何人も死人が出たそうだ。
それ以来、緊張状態が続いていて、殺し屋を雇おうとするマフィアは私たちに直々に勧誘してくるようになった。営業みたいにしつこく声をかけられて、鬱陶しいのだが。
とにかくそれをクロロがちょっと嫌そうに言うから、私は何だか嬉しくなって笑った。

「あははっ、クロロくんが『こいつはオレの専属のガンマンだ!手ェ出したらぶっ殺す!』くらい言ってくれたら彼らも諦めるかもね〜」

この前本で読んだ台詞を思い出して、言ってみると、クロロは楽しそうに笑った。

クロロ「ははっ、そんな物騒な言葉、どこで覚えてくるんだ?」

残念、どうやら言ってくれないみたいだ。

「私、結構情報通なんだ。そうだ!これも聞いた話なんだけど、今夜は星が綺麗に見えるんだって。特に9時ぴったりが見頃だとか」

クロロ「…へぇ、一緒に見ないか?」

やべっ

「残念!私はもう先約がいるんだ。しかも今から約束してて」

すくっと立ち上がって、さっさと逃げようと踵を返すと、後ろでクロロがにこっと笑ったような気がした。冷や汗がたらりと額を伝う。

クロロ「シャルによろしくな、あとエドもか?」

バレてら。

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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます!奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナツメ | 作成日時:2017年8月2日 12時

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