全員不合格 ページ22
私達が駆けつけた時には、既に人が集まっていて、受験生の一人の男がぶっ倒れていた。誰がこんな痛そうなことを……なんて心から思ってもないことを思ったりしていると、すぐ上空で一人のお爺さんが飛行船から飛び降りてきて、綺麗に着地した。今ちょっと地面揺れたぞ。
メンチ「審査委員会のネテロ会長。ハンター試験の最高責任者よ」
試験官の一言に、周りがどよめく。
ネテロ「ま、責任者といってもしょせん裏方。こんな時のトラブル処理係みたいなもんじゃ。
メンチくん」
メンチ「はい！」
頼むからさっき来たばかりの私達にもわかるように説明してくれよ。
ネテロ「未知のものに挑戦する気概を彼らに問うた結果、全員その態度に問題あり つまり、不合格と思ったわけかね？」
メンチという試験官は、ネテロ会長に優しくも厳しくもない表情でそう聞かれ、しばらく間をあけてノーと答えた。なるほど、つまりこの試験は全員不合格にされていたわけだ。
メンチ「テスト生に料理を軽んじる発言をさらてついカッとなり、その際料理の作り方がテスト生全員に知られてしまうトラブルが重なり、頭に血が昇っているうちに腹がいっぱいにですね…」
ネテロ「フムフム。つまり自分でも審査不十分だとわかっとるわけだな？」
メンチ「………はい。スイマセン！料理のこととなると我を忘れるんです。審査員失格ですね。私は審査員を降りますので試験は無効にして下さい」
ネテロ「ふむ…審査を続行しようにも選んだメニューの難度が少々高かったようじゃな…」
確かに、スシって結局どんなものだったんだろう。
ネテロ「よし！ではこうしよう。審査員は続行してもらう。そのかわり新しいテストには審査員の君にも実演という形で参加してもらう。というのでいかがかな」
ネテロ会長の挑戦的な表情に、試験官であるメンチの顔つきが変わった。
ネテロ「その方がテスト生も合否に納得がいきやすいじゃろ」
確かに、そうしてもらえると有り難いなぁ
メンチ「そうですね。それじゃ、ゆで卵」
ゆで卵かぁ…それにしても、テストやりなおしなんて結構いい加減なんだな。まぁそんなもんか。私が小さく肩を落としていると、いつの間にか前にいた怪訝そうな表情でキルアが振り返っていた。
キルア「何ぼーっとしてんだよ、先に行くぞ」
気付くと受験生がぞろぞろと飛行船に乗り込んでいた。あぁ、場所を変えるんだな。
「あはっ、待っておくれ〜」
ちょっとお道化て、前をゆっくり歩くキルアを追いかけた。
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
