知的探究心というやつめ ページ3
おやつタイムも無事終了したところで、 本来の目的に入る。
「シャル。携帯を新しくしたんだけど、メールの送り方がわからなくて…」
機械の扱いがうまいシャルとは裏腹に、私は機械に疎いのだ。
シャルナーク「相変わらず機械オンチだな〜、ちょっと貸して」
ケータイを差し出して、シャルの操作を身を乗り出して拝見する。流石だ、これからは精密機械のプロフェッショナルと呼ばせていただきます。しばらくプロのお手並みに圧倒されながら見ていると、シャルの説明が入った。
シャルナーク「ここのボタン押して、この画面になったらここ、それで文章を打ち込むと送信できると思う、試しに俺に送ってみて」
なるほど、そういうことだったのか。
「送ったよ」
画面には送信完了、という文字が映し出されてシャルの携帯が反応した。
シャルナーク「お、完ペキ」
良かった。これでメールもできる。
シャルナーク「それにしても、Aってあんまり携帯使わないよね、前のは壊れたの？」
「うん、そうなんだよね。シャルはずっとそれだね」
シャルナーク「当たり前だろ〜？これは俺の武器でもあるんだから」
確かに、無闇に機種変更なんて出来ない。
「ところでシャルは、今日何をしにここへ来たの？」
前置きもなしに話題をかえると、シャルは携帯を右側に置いて、こちらをじっと見る。
シャルナーク「買い物」
「本当？」
聞き返すと、女の子みたいにへらりと笑い、机に肘をつけて頬杖をする。
シャルナーク「Aはズルいなぁ〜自分が答えるときは曖昧に返すくせに、俺が答えるときはなかなか見逃さないし…」
そうか…確かに不平等な会話の仕方だったかもしれない。でも、そうなるのは当たり前だよ。
「ごめん、シャルのこと知りたかったから」
当たり前な理由。それは、私は会話が下手くそだから。
シャルナーク「………そーゆーのもズルいし…わざと言ってるの？」
額に手をあてて顔を隠す仕草を見せながら、ちょっと嬉しそうな声でシャルは言う。
「知的探究心というやつだよ」
シャルナーク「厄介だ」
今度はすごく困ったように言った。
「困ったときはオレンジジュースだよ、元気が出る」
シャルの方へ飲みかけのオレンジジュースを近づける。でも軽く手で拒否された。
シャルナーク「もっと困るからやめて」
彼はオレンジジュースが嫌いだったか。
「元気を出してほしいのに」
シャルはまた、困ったようにへらりと笑った。
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
