一旦停止 ページ20
一瞬が、とても永く感じた。いつも瞬きをする瞬間に、目の前の景色は変わっていくはずなのに、今だけは違った。景色は動かない。目の前にいるキルアがとても遠いところにいるような気がする。いや、違うな。もともと近いところなんかにはいなかったことを気付かされたのだ。本当に私は情けないな…どうすればいいのか、どんな言葉をかければいいのか、もしかして家族がいればわかったのかもしれない。
でも、キルア。それでも、一緒にいていいんでしょう？まだ貴方、私を吸血鬼だって証明できてないんだから。約束を破ったりは、しないよね？
「キルア！！」
私が大声で呼ぶと、キルアは身構えたまま肩を上下させる。私には、どういう言葉をかけるのが正解なのかはまったくわからない。けれど、1つだけ、ある人に教えてもらったことがある。それを今やっと、君の名前を呼んだときに思い出した。
「…おいで」
めいいっぱい手を広げて、真っ直ぐにキルアの目を見据える。キルアは、強張っていた何かがほどけたように、表情を崩して、すぐに飛び込んできた。
キルア「ごめん！ごめん！A！！！俺、今！」
キルアはまるで子供に戻ったように、普段の彼から想像できないほど必死になって私を抱きしめ、嗚咽が酷くてうまく話せていない。けれど、私には彼が何を謝ろうとしているのかは何となくわかった。
「いいよ、うん。私は大丈夫だから。」
私が謝るのは、彼が一旦落ち着いてからにしたほうが良さそうだ。それにしても、抱きしめてからようやく気付いた。彼は私より少しだけ、身長が小さかった。
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
