規格外の嘘 ページ11
話の内容をずっと考えていた。けれど自信がなかった。…………この話は、やはり面白くないかもしれない。
『うわっ、いきなり何だお前』
私が急に立ち止まるものだから、後ろで走っていた受験者がぶつかる。
「あぁ…ごめん」
映画を観るなら、お涙頂戴のわざとらしい恋愛映画よりも、外国のコメディ映画がずっといいだろう。彼もきっと後者の方が好きだと思う。やはり、この話はまた練り直そう。
キルア「あ」
「あ」
立ち止まる私を追い越していったキルアの隣には、彼と同じくらいの年だと見受けられる少年がいた。振り返るキルアを見て、彼も振り返った。
ゴン「キルア、知り合い？」
キルア「まーね」
キルアは何故か、立ち止まる。
キルア「A、何してんの？行こーぜ」
「いいの？」
キルア「いーよな？」
ゴン「もちろん！」
まだ、話は出来上がってないというのに。
ゴン「俺はゴン。よろしくね、A！」
元気で気さくな笑顔。転生してフルーツになったらきっと柑橘系だろう。なんてつまらなことを考えて、返事するのを忘れていた。
ゴン「A？」
「あぁ、ごめんね。よろしく」
この子も案外楽しいかもしれない。キルアとはちょっと違う種類で。
ゴン「Aは何歳？俺はもうすぐ12歳」
「あははっ、ゴンって面白いね」
何の偶然か、二人とも最初の質問が年齢だ。
ゴン「？」
キルア「ゴン、そいつは年齢教えてくれねーから聞いても無駄だぜ」
「えー。100億回くらい聞かれたら答えちゃうかもよ〜？」
ゴン「あはは、喉潰れちゃうよ」
まぁ別に年齢くらいバレてもいいんだけど、秘密があったほうが面白いし、このままでいいや。
「んー、でも君たちより長く生きてるってことは確かだよ」
キルア「ババアみたいな口振りだな」
「まあ100年以上生きてるからね！」
ゴン「えええっ！？」
「嘘だよ」
キルア「いちいち騙されんなよ…」
ゴン「いや〜Aが言うとなんかホントっぽく聞こえるからつい…」
「あはは、それは嬉しいな」
キルア「そーか？俺は逆に、大半が嘘に聞こえるけどな」
「えー、キルアこそそれ嘘でしょー！」
ゴン「え！？」
キルア「あぁ、嘘だよ。ちなみにこれも嘘だけどな」
「ま、嘘なんだけどね」
ゴン「う"〜〜〜」
思考が追いつかなくなって、脳という機械がトラブルをおこしたゴンを見て笑っていると、同じくゴンを見て笑っていたキルアと目が合って、再び同時に吹き出した。このまま窒息して死ねたら幸せだろうな。いや、それはちょっと違うか。
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
