いけ好かない ページ33
「なるほどなるほど♣僕のパートナーは君ってわけか♦よろしくね♥」
看板を一瞥してから、ヒソカはわざとらしくニッコリ笑って手を差し出した。
「うん、よろしく」
ヒソカをパートナーに選んだ神様のセンスは疑うものがあるが、どうやらこいつを持て余すことはなさそうだ。
私も負けず劣らずの笑顔を浮かべて、ヒソカに近付き、差し出された手を取る。その手と手が触れた瞬間、左の手で銃をひき抜いて奴の頭に突きつける。同時にヒソカは鋭いトランプカードを私の喉元に突きつけた。
「君右利きだろう？左で撃てるのかい♠」
ねっとりとした、いけ好かない喋り方をする男だ。
「撃てないはずないと君も思うだろ〜？それに、君こそ私を殺すつもりなさそう」
「へぇ♥どうしてそう思うんだい♣」
「理屈なんかない、人情だよ。君は私と話がしたいようだったし」
つまりこれはパートナーにするだけの価値があるかどうか見定めるための茶番だったわけだ。まったく、お高くとまりやがって。
ヒソカは少し間をあけてから、クツクツと小さい笑い声をあげた。
「ックク、君、いいね♠」
ヒソカが私を眺めるその目を見て、ゾワッと鳥肌がたつ。これはヤバイ奴の目だ。こんな目をできる奴は育ちが悪いに決まってる。少し油断したその間に、ふっ、と握手をしていた手が離れ、私の喉元に突き付けていたトランプカードも仕舞われた。それに釣られて私もさっさと銃を引っ込めて、奥へ続く通路の入り口まで進む。
「何してんの、置いていくよ」
立ち止まっていたヒソカに仕方なく声をかけてやると、彼はまたニッコリといけ好かない笑顔を浮かべた。
「は〜い♥」
げぇ、ハートマークなんて止してくれよ。こんな変なやつと何時間もいるの疲れそうだなぁ…
薄暗くて埃っぽい通路に、二人分の足音が静かに響いた。
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
