策士 ページ27
** キルアside
ゴン「…キルアは知ってる?Aがいってた流星街ってとこ」
Aがトイレだと席を立ってからしばらくして、ゴンが問いかけた。
キルア「………あぁ。よくは知らねーけど、何を捨てても許される場所だって聞いたぜ。俺やゴンとはわけが違って、流星街の住人には戸籍がない。つまり生まれたことすら認知されてないらしい」
ゴン「!だからあの時……」
ゴンに故郷を聞かれ、Aが一瞬戸惑った理由がゴンにもわかったみたいだ。俺は窓の外を眺めて、さっきのAの表情を思い出した。あれは、何も情が宿っていない顔だった。人だって殺せる顔だ。意図的に塗られた白というより、色すらついていない透明。Aのそんな顔を見るのはこれが初めてではない。アイツは見られている自覚がない時に、よくそんな顔してるし…笑うときは子供みたいにあどけなく笑うのにな。
でも、流星街出身と聞いたらあの雰囲気にも納得がいく。特にヒソカと対峙したときのあの嫌な殺気…あれは兄貴と似ていた。もしかしてあれは何かの技なのかもしれないな……
それにしても、ゴンの何でも聞けるところって恐ろし〜〜〜!!一瞬ヒヤッとしたわ。便利だけど。
ゴン「俺、実は気付いてたんだ」
キルア「えっ、何がだよ」
ゴン「Aって自分のことあんまり話さないでしょ。でも、隠してるわけでもなさそうだし、俺から聞いたら自分から言わないことも教えてくれるだろうなぁって」
えっ、じゃあ問いつめはわざとだったってことかよ……
キルア「お前って結構策士だよな〜」
頬杖をついてゴンを見ると、舌を出して悪戯っぽく笑った。
ゴン「えへへー、キルアの家のことも聞きたいなぁ」
キルア「いいぜ、その代わりお前のことも聞かせろよ?」
ゴン「もちろん!」
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます!奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツメ | 作成日時:2017年8月2日 12時