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それから、またアレと似たようなのがやってきて、意味のわからないことを言っては消えていった。

 ここはどこ、と私がいうとソレラはこぞって黒い点をぐりゃりとさせた。

 そして、今もソレラは私を囲んでノイズを響かせている。

「――、キット――」
「オソラク××ハ××ノ――」
「――スレバ――」
「――マショゥ。ソゥスレバ――」

 あたまが痛い。
 こうして囲まれていると、何故だか、とてもあたまが痛いの。
 なんだか、あたまの奥をカナヅチで叩かれているみたいに、いたいの。

 ねえ、チャシャ。どこにいるの?

 チャシャ。たすけてよ。

 私のあたまを撫でて、大丈夫だって言って。


 ――ふいに、ノイズが止んだ。

 真っ白な部屋が、真っ白な無音で包まれる。
 私がそっと顔をあげると

「ひ、」

 ソレラが私をじっと見つめていた。
 黒い点が私を、まるで逃がさない、とでもいうように見つめていた。

 ああ、だめ。
 それは、だめなの。
 これじゃあ、また(・・)、私は――

 お腹の奥からせりあがってくる恐怖。
 それは、じりじりと私を追い詰めて。
 私は、その場から飛び出した。

 「オィ! マツンダ!」

 ソレラの声が追いかけてくる。

 私はソレラが出入りしていた場所に思い切り体を――


***


 だれかが私を揺さぶっている。だれだろう。
 私、まだ眠いのに。

「――、――!」

 私、まだ、寝ていたいの。だから起こさないでちょうだい。

「――ス、アリス!」

 ――だけど、それでも声は私を呼ぶから。

 私はそっと瞼を開いた。
 するとそこには、いつものようにチャシャがいた。

「アリス、おはよう!」

「――おはよう、チャシャ」

 チャシャは、髪の毛と同じ色のしっぽを嬉しそうにブンブンと振ると、私に抱きついて――

「ああ、アリス! なんてかわいいんだ! 君はいつ見てもかわいいけど、寝起きの姿は特にかわいいよ! ……食べちゃいたいくらいに」

「それは困るわ、チャシャ」

 チャシャのくりくりとした鳶色の瞳が私を見つめて――

「大丈夫だよ、ボクはアリスが望まないことはしないからね。それはアリスだって知っているでしょ? ……アリス?」

 ――おかしい。
 私は、さっきまで確か、変な白い部屋にいたはずなのに。
 あれは、夢?
 それに――私はこのやり取りをしたことがあるような気がする。

 ――これは、どういうこと?

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設定タグ:ループもの , 愛され , シリアス   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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群青ノエル(プロフ) - ゆずりはさん» コメントありがとうございます!面白そうといって頂きとても嬉しいです。更新は遅くなると思いますが、じっくりお付き合いいただければ幸いですm(_ _)m (2016年11月6日 19時) (レス) id: 9efafdeb89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 初コメ失礼致します;; ちょっとダークな感じで面白そうだなと思いました! (これからどうなっていくのか気になります!) 影ながら応援させて頂きます…! (2016年11月6日 18時) (レス) id: 3389e8493f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:群青ノエル | 作成日時:2016年11月6日 17時

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