【ヒロアカ】やべぇ転生しちまった (ページ12)

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vs教師ページ12

わたしはそれならば、と攻めた回答をする。

「森鴎外の本名は森林太郎。ドイツ留学に行っていたことがあり、そこで一人の女性と恋に落ちています。今回の作品『舞姫』は森林太郎がドイツ留学にて経験したこの恋を題材にしているのではないかという説が濃厚であるとされています。森林太郎には子供が3人おり、森林太郎自身の名前がドイツ語で発音しにくいことから、子供たちの名前は明治時代にしては珍しい『まり』や『あんぬ』などになったとされています。それ以外にも──。」
「も、もういい！座れ！」
「はい。ありがとうございます。」

教室にどよめきが広がる。
これぐらい基礎知識だろう、と思いながらも教師にやり返せたこと、今までのAとしての立ち振る舞いを少しでも改善できたことが嬉しく、表情が明るくなる。

前世のわたしは現代文学に多大な興味を持っており、文学館や文豪記念館など、よく立ち寄っていたため、一般の中学生よりは詳しく話すことができる。

その後の授業は特に目をつけられることも無く、淡々と時間が過ぎていくだけだった。

そういえば、と思い出す。
国語の教師が言っていた「進路希望票出せよ」という言葉。クラスの担任の先生でなければ出ない言葉だと感じるが、まさかあの先生が担任の先生なのだろうか。

放課後、こいつと話さなければいけないのかという気持ちと、進路希望票をズタズタに破いてしまったことをどう言うべきか、お昼前にして気持ちが沈んだ。

虐められている、とはいえ、直接的な攻撃はしてこないクラスメイトのため、昼食は滞りなく満足に食べることが出来た。昼休みは図書室に行き、本を眺めていたら終わっていた。午後の授業は数学と歴史で、ぼうっとしていたら授業が終わっていた。

そして、放課後のホームルームの時間が来た。

ホームルームの時間になり、教室に入ってきたのは予想通り、三限でバーサスした国語教師だった。

小太りで黒髪短髪メガネのクソ教師はわたしに一瞥もせず、ホームルームを開始する。

授業中に反抗してしまった報いがここで来るかと思っていたが、特に目立つことも無く、ホームルームが終わろうとしていた。
──なんだ、弱いな。
そんなことを思っていると突然、教師から声をかけられる。
「夜木、終わったら職員室に来なさい。以上でホームルームを終わる。気をつけて帰れよー」

存外、これからが戦いなのかもしれない。