失くした記憶 3 ページ36
虫眼鏡side。
.
帰り道。
飯を食おう、と何気なく寄ったお店の駐車場で車から降りると
僕の後に降りようとしていたAちゃんが
ガクンッと足を踏み外した。
「っ！危な…」
A「あ…ごめ、」
間一髪、抱きとめられたから良かったけど…
顔色が良くない。
「気が抜けたんだね」
立体駐車場はAちゃんの嫌な記憶がフラッシュバックするトリガーだ。
Aちゃんは今も1人だと1分も立体駐車場に留まることができない。
そりゃ、顔色も悪くなるだろう。
僕としては、甘えて貰ったほうが助かるけど…
僕の腕の中で、Aちゃんは甘えているというより
なんか…放心状態？
心ここにあらずといった感じだ。
「Aちゃん？」
A「あっ…！ご、ごめん！ありがとう！」
固まっていると思ったら急にワタワタ動き始めて
僕から逃げるように離れた。
む…
いくらとしみつの目があるからって
そんなあからさまに避けんくてもいいやん。
拗ねてやろうかや。
て「大丈夫ー？」
A「だ、大丈夫！」
あ、でも。
顔色…マシになってる。
安堵の溜息をつくと背後からヌッと現れては何か言いたげに僕を見る足長男。
「…なに？」
り「いや？
覚えてないんだなーと思って」
「？
何を？」
り「大したことじゃないから」
「また…嫌な言い方するねぇ…
気になるやつじゃん」
り「ふふ
まあ、どう転んでも俺はAの味方だよ」
「だから何の話だぁ！」
し「っ！」
て「なにー？もー」
ゆ「しばゆーめっちゃビビるやん」
し「心臓に悪い…」
ついついおふざけスイッチが入って声を荒らげてみると
僕の前を歩いていたしばゆーはビクゥッ！と大きく肩を震わせる。
ほんとこいつ良いリアクションするなあ。
と「更年期？」
「んふふ ちげーわ」
やれやれ、これだからジジイは…なんて呟きながら店に入っていくてつや。
確かに君たちよりはジジイだけど。
年上を敬う文化は相変わらずこいつらの世界に存在しないらしい。
ーーーー…『覚えてないんだなーと思って』
僕が忘れてる何かって、なんだ？
りょうくんがAちゃんの味方なのはいつものこととしても…
と「A？聞いてた？」
A「えっ？」
と「おまっ…聞いとらんやん！」
A「ごっ、ごめん！」
彼女がさっきから明らかにうわの空なことと、何か関係あるのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「紅一点」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
編(プロフ) - tokitaさん» わー！何年もお付き合いありがとうございます（；＿；）�，虜△�ら読んで下さっている方に出会えるなんて感極まります…私も終わらせるの寂しいです〜😭（と言いつつ🐢更新なのがろくプラ）最後までどうぞよろしくお願いします🥲🤍 (2022年6月3日 9時) (
レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
編(プロフ) - rinさん» ひぇ〜！ほんとですか！何年もお付き合いありがとうございます（；＿；）まさか�，虜△�ら読んで下さっている方がいらっしゃるなんて…なんでとしみつオチじゃないのか我ながら疑問です！（）どうぞ最後まで見届けて頂けましたら幸いです🥲🤍 (2022年6月3日 8時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
tokita(プロフ) - 初期から読んでおります！なんか終わりそうな雰囲気がムンムンで寂しい気持ちになっております笑本当に素敵な作品をありがとうございます。 (2022年6月3日 7時) (レス) @page46 id: 4df3902f7c (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - 初期から読んでます！！だいすきな作品です☺️としくんとのハッピーエンドを期待してましたが残念😭まだまだ続き楽しみにしています😊 (2022年6月3日 4時) (レス) id: a391f53602 (このIDを非表示/違反報告)
編(プロフ) - しさん» 見つけて頂きありがとうございます！大したことは投稿しておりませんが、宜しくお願いします(*^^*)更新頑張ります！ (2022年3月16日 14時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：編
| 作成日時：2021年7月28日 2時
