命さえも惜しくない 11 ページ25
Aside。
.
「また私のせいで、みんなに余計な心配かけてごめんなさい」
頑なに譲らない私の態度にてつやとりょうくんは明らかに困り果てた顔をしているし
しばゆーもゆめまるもオロオロしてる。
虫さんだって、口をつぐんでしまった。
今みんなを困らせているのは紛れもなく私で、
こうなった発端も私だ。
どうして私はいつも、悲しませたり怒らせたり…
心配や迷惑をかけることしか出来ないんだろう。
申し訳なくて、不甲斐なくて、みんなの顔が見れなくて俯いた私に
と「…おかえり。」
今までずっと黙っていたとしみつがくれたそのたった一言が
まだみんなの側に居ていいよって言ってくれてるみたいで涙が出た。
そんな私を優しく抱き締めてくれたとしみつは、
私が腕を回すと小さく息を吐いた。
…肩に力が入るほど、心配してくれてたんだ。
「ただいま…」
ありったけのごめんねを込めてギュッと強く抱き着いた。
.
と「ごめん、今日はA連れて帰ってもいい？」
2人で話したいと言うとしみつに
心配そうに私を見るりょうくんやしばゆー。
私もとしみつと2人で話したかったから、大丈夫だよの意味を込めて頷く。
て「…じゃあ、そうしてあげて」
「なんでてつやが許可出すの…？」
て「………同居人だから？」
「ふっ なにそれ」
思わず笑うとホッとしたようにてつやも少し笑う。
て「Aのことは託したからな…！」
と「だからなんでお前が託すんだよ」
重苦しい空気がふわっと和らいだ気がする。
てつやのこういうところがすごく好きだ。
と「おいで」
携帯と財布と鍵だけ持って
玄関に向かうとしみつを追い掛ける。
靴を履いて、なんとなく。
空いていたとしみつの手に手を伸ばすと
一瞬、驚いたような顔をされた。
「？」
.
手を繋いで駐車場に向かってとしみつの赤いポルシェに乗り込むと
としみつはハンドルに顔を伏せて大きく息を吐く。
「としみつ？」
と「…まじで生きた心地しなかった」
ポツリと呟くと、私の存在を確かめるようにそおっと頬を撫でる。
「ここに居るよ…」
何故だかワッと泣き出したいような気持ちになる。
と「頼むから…俺の手の届かないとこで危ない目に遭わんで……」
微かに私の首に触れたとしみつの手は震えていて、
胸がちくんと痛んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
編(プロフ) - tokitaさん» わー！何年もお付き合いありがとうございます（；＿；）�，虜△�ら読んで下さっている方に出会えるなんて感極まります…私も終わらせるの寂しいです〜😭（と言いつつ🐢更新なのがろくプラ）最後までどうぞよろしくお願いします🥲🤍 (2022年6月3日 9時) (
レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
編(プロフ) - rinさん» ひぇ〜！ほんとですか！何年もお付き合いありがとうございます（；＿；）まさか�，虜△�ら読んで下さっている方がいらっしゃるなんて…なんでとしみつオチじゃないのか我ながら疑問です！（）どうぞ最後まで見届けて頂けましたら幸いです🥲🤍 (2022年6月3日 8時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
tokita(プロフ) - 初期から読んでおります！なんか終わりそうな雰囲気がムンムンで寂しい気持ちになっております笑本当に素敵な作品をありがとうございます。 (2022年6月3日 7時) (レス) @page46 id: 4df3902f7c (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - 初期から読んでます！！だいすきな作品です☺️としくんとのハッピーエンドを期待してましたが残念😭まだまだ続き楽しみにしています😊 (2022年6月3日 4時) (レス) id: a391f53602 (このIDを非表示/違反報告)
編(プロフ) - しさん» 見つけて頂きありがとうございます！大したことは投稿しておりませんが、宜しくお願いします(*^^*)更新頑張ります！ (2022年3月16日 14時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：編
| 作成日時：2021年7月28日 2時
