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「A、お、落ち着け、な？」
「ほう？餅をつけ？蛇は餅は食わぬ。
目玉を差し出せ、ぬらりひょん」
「差し出す阿呆が居るか！
そもそも旦那の目玉を集るやつがおるか！？
つーか、んな事一言も言っとらんわ！
餌ならそこらの木の実かキノコでもやっとけ！」
「この子の好物は目玉でなぁ。
木の実もキノコも好まん美食家なのだ。
さぁ目玉を寄越せ」
「牛鬼！！ワシの奥が恐ろしいんじゃがッッ！！？」
「スプーンはどこにありましたかな」
「抉る気満々かお前ッッ！！？」
冗談です。今この場面で冗談言う必要あったか！！？とぬらりひょんは冷や汗が止まらなかった。
Aはというと、そんなぬらりひょんを見て蛇語で蛇に話しかけるとその蛇はAの体に巻きつく。
シュルシュルと腕、腰、首に巻き付きチロチロと舌を出す頭部をAは優しく撫でた。
「いい子」
「へ、蛇姫の名は伊達じゃないのう…………」
「私は行くぞ」
ぬらりひょんに背を向ければ、当然Aを呼び止めた。
顔を少しだけ横に向け、流し目でぬらりひょんの姿を捉えたA。
「もういい、わかった。好きにせい。
じゃが一つだけ、これだけは守れ」
「……………」
「死ぬな。羽衣狐に目をつけられたら逃げろ」
「………私が、あの女狐に負けると？」
「どちらが強いかなどワシにとっちゃ心底どーでもええ。
ワシにとって重要なんはアンタが生きてる事じゃ」
大昔のように、羽衣狐の所に殴り込みに行くのは御免じゃ。とぬらりひょんは腰に手を当ててため息をついた。
あの頃は確かにぬらりひょんの妖怪年齢では若者であった。
だこらこそ若気の至りの一言で済ませられるが今はそうもいかない。
向こうは更に転生して強くなっているわ、こっちはそれなりに歳を食ったし、前線からは身を引いた身。
弱くなったつもりは毛頭ないが、部があるのは相変わらず向こうであるのはわかる。
「ワシはもう二度とあんたを失いとうない」
「寿命で死んだんだがな」
「んなもん、関係ないんじゃ」
あの日、自分の揺るぎなき道標を失った。
闇に生きる己を照らす光を、失った。
覚悟していたこと。分かっていたこと。
例えそうであったとしても、いつも隣にあったものが消えるというのは、苦しくて、悲しくて、痛くて、寂しくて。
自分をいつまでも締め付けてくるものだった。
Aが、帰ってきてくれたあの日までずっと。
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ツバキ(プロフ) - 過去編も原作編もめちゃくちゃ面白いです！！一気見しました！！更新頑張ってください！！楽しみにしてます！！ (3月10日 6時) (
レス) @page8 id: b2e58f839d (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - すごく面白いです！更新待ってます！ (11月16日 17時) (レス) id: e833dbf582 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - 更新待ってます！ (9月18日 0時) (レス) id: c5f13d75c6 (このIDを非表示/違反報告)
ふく - 続きは更新されますか？原作の最後まで行って欲しい (9月8日 3時) (レス) id: e815e183a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな - めっちゃ面白いです！更新待ってます！ (2022年10月29日 13時) (レス) @page8 id: ab891109e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江
| 作成日時：2021年7月10日 20時
