ステージ ページ10
全部の歓声が私を批判しているように聞こえて仕方がない。
ソロ曲のとき、まっ白い衣装に着替えてステージに立つと、
お客さんからは笑顔が消える。
私の前に居たほとんどの人が私を侮辱するような言葉が書かれている
うちわをひらひらと目の前で振る。
なんとか3分。歌い終わって証明がいったん落ちるまで
そこにいなきゃいけないんだけど、そんなの待てなくて、
走って舞台裏にはける。それでもスタッフに決まりは守ってと
文句を言われなきゃいけないんだからたまったもんじゃない。
私はその場で衣装を脱いで近くに居たスタッフに渡す。
よかった…下に次の衣装着てきて。
最後に6人で手をつないでありがとうございました。と礼をするとき、
私は何に礼をしているのか分からない。
本当は手だって繋ぎなくないのに…
証明が全部落ちてあたり一面ペンライトの海になった瞬間
私は隣の翔君と相葉君の手を思い切り振りほどいて舞台裏まで走る。
どうしようもない気持ちがあふれてきて…
その気持ちが涙になってぽろぽろと頬を伝う。
ほかのメンバーは泣いている私を見て、何も言葉をかけてくれない。
始まる前の優しさは何としてでも私を舞台に立たせるため。
でも…
智「頑張ったね…」
リーダーのその一言でほかのメンバーも私に集まってきて
頑張ったね。と声をかけてくれる。
そんなの…偽りの優しさだよ…?
契約更新まであと半年。
最後の公演は5人でするんだよ?
私は…いないの。
だって…辞めるんだもん。
ジャニーズも…嵐も。
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作者名:夢乃 | 作成日時:2011年1月10日 11時