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5人で嵐で良いじゃない ページ5

ほかの5人が居なくなった後、私はさっきまで聞いていた音楽をかけて

覚えられなかった部分を中心に踊りを繰り返す。

途中ぽろぽろと溢れてくる涙。

何で…こんなことしなきゃいけないんだろう…?

何で…?誰も私のダンスなんか見ないのに…?

いくら上手になったって…いくら頑張ったって…誰も評価してくれないじゃない。

A「もう…6人じゃなくたっていいじゃんっ!」

私がいつも思う言葉。

そして、こうやって一人居残り状態で踊っているときに叫ぶ言葉。

何年も思ってきた言葉だけど…

私が【嵐】というグループから消えることはなかった。

何でこう…私の人生は空回りばっかりなんだろう…?

私は…こんなに頑張ってるのに…

あの5人と一緒に居るのが辛い。

事の発端のお母さんは1年前に癌で死んでしまったし、

母子家庭で育った私にはお父さんと呼べる人もいないし、

兄弟も…だれ一人いない。身寄りが一人も居ない私は

誰も頼ることができず、大勢の人から嫌われてる。

何この状況…?

神様ってそんなに私が嫌いなの…?

辞めてやろう。こんな所。こんなグループ。

契約更新が今年。10年更新がやっと切れる。

社長に言おう。辞めますって。あの5人でやっていけると思いますって。

大体働けそうな場所は見当が付いてるし、

東京で働く。と地域を絞る必要も特別ない。

社長…ビジネスにやっぱり面白さって求めちゃいけなかったよ。

どんな基準で私を合格にしたか知らないけどさ、

男ばっかりのグループに女を入れたら…そりゃぁ…結果は見えてるでしょ。

私は音楽を消して、帰り支度をして、部屋の扉をあける。

A「うわっ…ビックリした…」

そこには翔君が立っていて…私はじゃぁね。と言って

翔君に背を向けて歩き出す。…が、

翔君に腕を掴まれいて進めない。ゆっくり後ろを振り返って何?と聞くと、

戸惑ったように顔をしかめて一言。

翔「あの…さ…6人で…嵐…だよね…?」

翔君まで…まだそんなこと思ってるの?って言うか…聞かれたかな…?

私は翔君の手を離しながら

A「今はね。」

そう一言だけ言って出口に向かって歩き出す。

今はね。きっと…私が消えたら居心地が良くなると思うよ。

今度は『5人で嵐』って唱えながらね…

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作者名:夢乃 | 作成日時:2011年1月10日 11時

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