きれいごと ページ31
仕事が終わり事務所に寄った、
社長に渡されたのは、一枚の紙。
そこに社長が言った通りの事を書いて行く。
『長い間、私を応援してくださった皆様へ。
今回、わたくし工藤Aは
嵐としての活動を一時休止し、海外留学をすることにしました。
期間は1年間と短いですが、
その1年間を有意義に過ごし、国際性のある社会人として、
日本に帰ってきたいと思います。
その間、嵐は5人で活動していきますが、
また、私が嵐に戻ってきたときには、よろしくお願い致します。
ジャニーズ事務所 嵐 工藤 A』
この中の文章に本心なんて一つも交じってない。
ただ、社長が口にした言葉を私の字でつづっただけ。
ソレを社長に渡す。
社「…これで、嵐としての仕事は終わりだよ。長い間、無理をさせたみたいだったね。」
その言葉に仕方なく首を横に振る。
社「…君を選んだ理由、知りたいだろう?」
その言葉に、私は頷いた。
そして、社長が口にしたのは耳を疑う言葉だった。
社「…君の笑顔が、素敵だったからだよ。
嘘のない笑顔が、皆をひきつけると思った。」
でも…
そう一旦言葉を切った社長はゆっくり私をみて、
私と目を合わせた。
社「…君は笑わなかった。決して。」
曖昧に笑った社長は、
社「君が辛い思いをしたのも全部、私のせいだよ、ごめんな。」
その言葉に、私はなんて言ったらいいのかすらわからなくて、
A「そんなことありません。
この仕事に積極的じゃなかったのは私ですから、悪いのは私です。」
そう言ってニッコリ笑うと、
悲しそうな社長が、
社「また戻ってきたくなったらいつでもおいで。待っているから。」
はい、と頷き私は事務所を後にした。
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作者名:夢乃 | 作成日時:2011年1月10日 11時