バカな話 ページ27
メンバーより先にレコーディングルームに向かう。
この曲は６人一緒にブースに入って
唄おうって言っていた曲だったけど、冗談じゃない。
スタッフに先に唄わせてくれと無理を言って、
一人でレコーディングを行う。
だって、このアルバムは発売される頃、
私契約解除してるんだもん。
６人で一緒に唄った声を私の声だけ消せるとは思えなくて、
なんとか嘘をついてレコーディングを済ませ、
次の仕事現場に向かった。
楽屋で鳴る私の携帯。
着信は…まぁ、予想はしてたけど、ね。
A「もしもし？」
潤「お前今どこいんだよ！？」
A「どこって…楽屋。次の仕事場。」
潤「何で一人で済ませた？６人で歌うって約束だったろ？！」
何で…６人にそんなにこだわるの？
A「…あのね？イヤに決まってるでしょ？
貴女たち５人で一緒に唄えばいいじゃない。バレはしないでしょ、」
潤「あのなぁ、」
A「悪いけど私、貴女たちと一緒に仕事なんかしたくないの。
他の曲は一人一人バラバラに取ってるじゃない。変わらないでしょ？」
６人で一緒に取って、何かが変わるわけ？
A「楽しくもないのに一緒にいるのなんて、まっぴらゴメン。
なんなら私の声消して５人の歌にしたって構わないわ。」
相手が…黙り込む。
そして聞こえてきたのは…
智「ねぇ、A…？ゴメンね、嫌なこと押し付けて。」
思いもしない人からの声だった。
智「オイラ達、皆で一緒に歌いたかっただけなんだ。」
でもさ、そう言った彼は続けた。
智「Aがイヤならいいよ。無理に笑わなくていいからさ、
無理にオイラ達と一緒に居なくていいからさ、嵐でいてね？」
そう言って切られた電話。
…バカ、言わないでよ。
嵐なんて、そんなグループなんて…
A「辞めてやるんだから…」
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革ベルト
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作者名：夢乃
| 作成日時：2011年1月10日 11時
