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カウントダウン ページ19

あれから数週間。

社長は私が嵐を脱退する方針で

色々話を進めてくれているみたいだった。

でも当然ほかのメンバーはそんな話知らないわけで。

下手に伝わるといけないので私の契約解除の話は

社長をはじめごくわずかな人しか知らない。

でもそんな中新曲のレコーディングや再来月の雑誌の取材など

【嵐】の中の私への仕事はたくさん来る。

それを「いや、辞めるから。」

とこなさないわけにも行かないので

レコーディングなどは後で私の声を消せばいいだろう。

と素直に仕事をこなしていった。

福岡ドームでのライブの打ち合わせ。

いつもは「やりたくない。」

と何度もつぶやき席をはずすけど、

出もしないライブの打ち合わせに参加するのは

なんだか新鮮で珍しく最後まで話を聞く。

着もしない衣装合わせに立ち位置確認。

どこで照明が落ちてどこで裏に掃ければいいのか。

このライブに参加しない私にとって

正直どうでもいい話で馬鹿馬鹿しい。

もうすでに私が嵐脱退するカウントダウンは始まっていた。

私がこのグループから姿を消した瞬間から、

契約解除の日付が変わった瞬間から、

私は嵐でもジャニーズでも芸能人でもない、

ただ普通の一般人として生きていける。

小さなことに縛られないこんなに狭苦しい世界に

閉じ込められることなんてない。

自分の人生を自由に生きることができる。

みんなに会えなくなる前に良い思いでを作ろうとか、

何をしようとか。大して好きでもないただの仕事仲間に

対する思いなんてさらさら無くて、

ただこのグループを辞められれば良い。

ほら。カウントダウンが始まった…

やめる訳。→←社長室


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作者名:夢乃 | 作成日時:2011年1月10日 11時

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