7-現在ノ象徴 ページ8
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「さっとぉーるぅぅぅ!!!」
「近寄るな、うるさい」
「えーん!相変わらず可愛くない悟だあああ!」
「本当にうるさい」
朝学校に着けば見慣れた後ろ姿。
姉さん!!と嬉しい気持ちを押し殺して隣にいるななみんに挨拶がてら声をかける。
すると面白い事に反応したのは呼ばれた本人じゃなくて姉さん。
バッ!と勢いよく振り向いてこっちに両手を広げて走ってくる。
思わず抱きつきたい気持ちを必死に消して「近寄るな、うるさい」と姉さんを避けた。
何度も後ろで名前を呼ばれたが無視してななみんと対面して「おはよう!」と言えば「おはようございます」と返される。
「良くやってくれたね」
姉さんの僕を呼ぶタイミングと同じにななみんに言葉を投げる。
じっとこちらを見るななみんにふぅ、と肩を下げて自分にも落ち度があると大人になろうと背伸びする。
ななみんには後で……と思ってれば僕の服をクイクイ引っ張る姉さん。
辞めて、好き。
「触るな」
大袈裟に振りほどくとガーン!と口を開けては目を見開く姉さん。
コロコロ変わるその表情さえも愛しくて愛しくて愛しくて……。
ああ、もう、本当に心臓もたないから。
「触らないでね、“Aさん”」
「名前で呼ばないでよー!!悟のお姉ちゃんだよおお!」
「んー?義理の姉だよね?所詮他人だよね?」
「ええええん!!!悟があああ!」
「抱きつかないで、離れて、汚い」
ぎゅうううと抱き着いてくる姉さんの肩を押す。
強くもなく弱くもない力で押し返すも離れてくれない姉さん。
僕だって抱き締めたい、抱き締めたいけど、だめ。
姉さんは嘘つきだから。
「大嫌い」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
「ほら、さっさと行きますよ」
「バイバーイ」
「悟ぅぅぅぅ!!」
「はぁ……」
笑えてるだろうか。
無理矢理ななみんに連れてかれる姉さん。
拒否する度に子供のように泣く姉さん。
それでいい。
僕だけ考えて、僕だけ見てて、僕だけ想って。
じゃないと、今の僕には釣り合わないんだから。
「嘘つきで大嫌い……かぁ……」
特大ブーメンすぎー、と姉さんの姿が校舎に消えたのを確認してから自分もゆっくりと足を動かす。
毎日会えるなら、ななみんに少しくらい時間を分けてもいいよ。
けどこれだけは言いたいのがあるかなぁ?
「姉さんは僕の、僕だけの大切な人って事……肝に銘じておかないとね」
他にもおじゃま虫は居るけれど、虫は虫だから。
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時