5-忘却ノ時間 ページ6
.
カチカチと携帯をいじりながらメールをななみんに送る。
パタン、と今ではガラケーと呼ばれる携帯。
思い出が詰まりすぎて変えたくないんだよねぇ。
あ、画像とかは随時他のネットワークフォルダに保存してるから良いんだけど。
なんて事を高いビルの屋上で考える。
相変わらず愛しの悟とは連絡が取れない。
ななみんに教えてもらった電話番号にかけても呼出音が鳴るだけで当の本人の声は未だに聞いていない。
「帰ってきてもう3日経つのに……」
ぼんやりと月を眺めながら屋上の手すりに寄りかかる。
冷たい感触に体の体温が奪われていく感覚に陥るがすぐに辺りの空気が暖かくなる。
寒くないよ、と呟けばふわりと離れる体温。
悟……。
「帰ろ……」
ガラケーを開けば3時間が経過していた事に気が付いた。
1時間しか外にいる予定なかったのに。
おかげでななみんからの着信と大量のメール。
うわぁ、と眺めていると着信画面に自動的に切り替わった。
慌てて通話ボタンを押して謝る。
ため息混じりの声と呆れた雰囲気。
すぐに帰ることを伝え、通話は終了した。
「……ななみんと結婚しようかな……」
それって良くね？と手すりから自分の顎を抑える。
が、こんな自分貰ってもねーと大きく伸びをしては後ろに倒れる。
ドプンと、コンクリートにぶつかるはずの体がまるで水の中に落ちたようにふわふわと浮く。
体制を整えて黒い空間を泳ぐ。
ななみんの気配を頼りに私は夕飯が何かというワクワク感でいっぱいになった。
.
久しぶりに感じた気配に嬉しくなる衝動を抑えて仕事を終える。
来た、来た、と心臓がうるさい。
なんで連絡1つくれないんだ？と初日はイライラで落ち着かなかったが硝子に言われて気がついた。
「連絡先教えたの？」
教えてない。
無言で黙り込む僕を見て硝子は「だと思った」とだけ言ってさっさと持ち場に向かってしまった。
硝子もスマホを壊してから連絡は取れないらしく今取れると言ったら誰だろう、と考えて、考えてたどり着いた。
ああ、居るじゃん。
「なぁーなみん！」
「……はぁ……」
「え？あからさま過ぎない？元気足りてないの？バナナいる？」
「なんですか」
「A来てない？」
一瞬七海の呼吸が揺れた。
知ってるんだね。
けれど答えは「来てません」だった。
は？
マジ？
「声に出てます」
「え？マジ？」
「……」
「ほんとにほんと？」
「しつこいです」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
+ちっく(プロフ) - ｲﾔｱｱｱｱｱ!!!またまたコメントありがとうございます！こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´；ω；｀)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！応援ありがとうございます！！！ (3月28日 0時) (
レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華＠ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント！！大ファンです！！応援してます！！！！ (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華＠???，??，??さん» ﾝｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！有難うございます！有難うございます！！これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします！！！！応援有難うございます！(ᐠ ᐛ )ᐟｱｱｱｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華＠???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品！評価とお気に入り失礼します！！ (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：+ちっく | 作成日時：2023年11月29日 6時
