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ガヤガヤと人の声が聞こえる。
朝から何も食べずに家を出たからコーヒー1本で吐き気がする。
昨日の夜悟と沢山話して心地よかったのに一通のメールで現実に引き戻された。
【予定変更 明日朝イチでアメリカ チケット有】
まるで翻訳された言葉だ。
いや、愚痴を言ったところで意味は無い。
すやすや眠る悟に優しく頬にキスを1つ落として手ぶらで外に出る。
朝日が目に痛い。
痛い。
もう、消えてしまいたい程に、痛い。
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「愚問だな」
「…ですが私も1教師になりましたから」
「既に話はついている」
「相変わらず行動が早いですね…なにも1年で帰るとは言ってないんですよ?」
「フン、それはお前の頑張り次第だ」
ああ、ここでも私は自由に動けないのね。
悟を守るように産まれた命なのに。
悟の為と突っ込んだ場所が悪かった。
君はもう私の援助無しに立派に生きているのにね。
また、無駄金だなぁ。
「位置につけ」
「…わかりました」
この世から私は消えたい。
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シャワーを浴びて髪を乾かす。
ドライヤーの風がイマイチで不機嫌になっていると体を熱風が包み込む。
サラリと一瞬で乾いた髪の毛を肩から払い除ける。
「ありがとう」
私の言葉にお返しは無くとも良い。
赤ワインをキッチンから持ってきてはコルクを抜こうと爪を刺した。
ゆっくりと爪が伸び頃合いを見てコルクを引っ張ると高い音を立てて抜けた。
コルクの匂いを嗅いではゴミ箱に捨てる。
はしたないと思われると思うがそのまま私はラッパ飲みをしては息をつく。
ベランダに出ては風を全身に受ける。
気持ちがいい…。
さらさら揺れる髪の毛が背中にあたりくすぐったいが今だけは幸せと言える。
幸せが3でも苦しみが7だろうと10だろうとこの幸せが1でもあればいいんだ。
そうだ、そう考えないと本当に…。
「飛び降りてしまいそう…」
向かいのビルを見ればあちこち電気が付いては消える。
下を除きこめばカップルがさよならのキスをしている。
豆粒ほどの大きさの車にAは目を閉じゆっくりと呼吸を繰り返す。
ふ、と鼻につく匂いにAが左に顔を向けた。
「やぁ、いい夜だね」
「…ジェイス、貴方いつ戻ってきたの、とっくに出ていったと思ったわ」
「ハハッ、金さえ払えばここのオーナーは住民を歓迎するからね」
「そうだったわね」
「僕は君だったらいつでも大歓迎だけど」
「冗談」
「つれないね」
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時