33-愚問ノ刹那 ページ34
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あれから早1ヶ月も過ぎ、2ヶ月も過ぎた頃。
ある報告に私は森の中で人体発火してしまった。
「ツ、ツナナナ!!?」と慌てる棘くんの声。
持っていた携帯がドロドロと溶けだす。
私は任務中だと言うのにも関わらず式神や真希ちゃん、パンダくん、棘くんを置いて走り出していた。
嘘だと思いたくて足が早くなる。
信じないと思いたくて息が乱れる。
脳裏によぎるのはお寿司を頬張る悠仁くんの笑顔。
彼は、彼が、死ぬなんて、死ぬことなんて…。
「ありえない」
有り得ないこと。
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「悟!!悟!!」
「なーに、聞こえてるよ」
「ゆーじは、ゆ、ゆうじ!」
「うん、死んだ」
「しん、なんでそ、んなかるく…」
「今更でしょ、その反応」
何を言ってるの。
確かに私達は沢山の大切な人を失ってきたけれど。
少しでも悲しいとか、悔しいとか、胸が痛いとか、そんな、そんな……。
感情すらもないの?
「しん、じられないっ…」
「信じられないね」
「さと、るが……平然としてるから……それが、しんじられな、っつ」
「ゴメンゴメン、ちゃんと説明するから」
「うっぐ、う…うっ」
「あーはいはい、とにかくこっちおいで」
声を押し殺して泣いていたら硝子の声が聞こえた。
顔を上げると涙で歪む世界に硝子が「泣くな泣くな」と私に沢山の飴を握らせてくるけれど手に力が入らない。
「おい」と言いたげな顔で硝子は悟を睨む。
悟は呆れたように肩をすくめるとAを抱き締めては乱暴に落ちた飴玉を手で拾いAを横抱きにする。
いいこいいこ、と声をかけるもAは顔を覆っては涙を流した。
「僕が死んだ時は声出してないてね」
なんて意地悪で言いそうになったけれど余りにも切ない鳴き声に悟は口を開けることは無かった。
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「あれ?A先生?」
「ゆ、じ…ゆぅうああああああ!!!」
「え!?ナニコレ!?え!?どしたの!?ちょ!落ち着いて!?ええあああああ!」
Aがついに叫び泣いた。
それにつられてどうしたらいいかわからない悠仁も叫んだ。
僕はその2人を見てるだけ。
あ、ため息でちゃった。
「ゆうじいいいいんああああああああ!!」
「ゆーじーんって誰すか?!ゆ!う!じ!虎杖悠仁!ほら!本物!生きてる!!ね!?だから泣きやみましょ!」
「うわああああん!!ばかあああああああ!!」
「うわあああああ!!五条先生助けてーー!!」
………………………………ナニコレ。
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時