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「虎杖!!」
避けろ!の言葉を言う前に虎杖が黒いモヤに吹き飛ばされた。
家の外まで飛ばされたのか一瞬にして姿が見えなくなり目の前の敵に視線を向ける。
さっきまでは人型だったものが今では霧のようなモヤのような形になり原型を留めていないソレはゾッとするほどうごうごと動いていている。
どういう事だ?
釘崎の攻撃も今では釘を通り抜けてまったく当たらない。
それに先程まで差し込んでいた陽の光はいつの間にか薄暗い。
リビングなのに体育館並みのデカさだ。
入った時はここまで大きくなかった……。
「長期戦になるほどまずいな……」
「ふ……ろ!……れ!!」
「!?」
伏黒止まれ!!伏黒!!
なんで聞こえないんだ!!!
こんなに叫んでるのに!!
「伏黒ー!!!」
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体をかがめて、なるべく小さくなって敵の視界を探るも避けられる。
または打撃が通じない。
なんなんだよ……と自分の呟きすらも届かないんだろう。
戻った時には2人はもうバテていて肩で息をしている。
俺も結構辛い。
足がガクガクと震える。
「2人は!?」
もう一度と踏み込んだ所で当たりが真っ暗になった。
音もしない、匂いだって一般家庭の洗剤の匂い、柔軟剤、芳香剤、香ばしい料理の匂い、せっけんの匂い、たばこの匂い、お酒、香水と色々混ざっていて本体を辿る事も厳しい。
それに息が切れる。
うまく呼吸が出来ない気がする。
肺いっぱいに空気を入れようにも酸素が薄い気がする。
あれ、俺、やられちまうのか……?
「釘崎……伏黒……」
意識が朦朧とする。
なんだ、なんで手足に力が入らない。
息が、出来ない、吸えない、吐けない……。
あれ……。
あれ……?
「呼吸って……どうやって……」
視界が反転する。
ぐるり、と体が回る感覚。
倒れる感覚に身を任せるとふわりと暖かい何かに包まれた。
うっすらと見えたのは口元。
あ、口元にホクロある……口元のホクロって……確か食いっぱぐれないって……聞いた事……あった……気が……。
「吸ってー、吐いてー、吸ってー……吐いてー、よしよし」
すやすやと眠る悠仁くんを横抱きにして恵くんの隣にゆっくりと降ろす。
みんな……可愛いなぁ、もう。
Aは3人を川の字に並べるとよしよし、と見ていたが本格的に暗くなったのかやっと見えていた3人の顔が見えなくなる。
おや?と後ろを振り返ると無数の目玉。
「もう、そんなに見つめないでよ、えっち」
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時