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起きたら外が暗かった。
寝すぎた、と体を起こすと消毒液の匂いがしない。
真逆とは言わんばかりの優しい匂い。
何の匂い?と目を擦りシパシパと瞬きをする。
シングルベッドが何故が広い。
硬かった布団ではなく体が沈むほどに柔らかいマットレス。
「……ここどこ?」
びっくり。
知らん部屋だ。
誘拐?
いやいやまさか。
式神たちは反応はしておらず気配だけがふよふよと漂っていた。
何かあればすぐ起きるだろうし、と部屋を見渡してからベッドを降りる。
うーーん!と伸びをして扉へと近づく。
簡単に空いたドアに事件性はないと考え部屋を出る。
「起きた?」
「悟」
「すごいね」
「何が?」
「……3日も寝てたよ」
「マジ?」
「マジマジ」
3日?
どうして?
疲れてたにしては寝すぎだろう…と1人怪訝な顔で悟を見つめる。
嘘ついてると思ってる?
そう放たれた言葉に緩く顔を降る。
そんなことない、と付け加えて悟に手を引かれる。
ほんのり湿った手のひらと相変わらず私と同じ匂いのするシャンプー。
湿った髪を見て私は目を逸らした。
「眠い」
「寝すぎだよ、どうしたの?」
「ん、いや、ここの所ゆっくり寝れてなかったから、にしても3日は寝すぎかなって」
「別に、体調悪い時とか結構寝ちゃうよ、Aは」
「体調……?」
「うん、はい」
「え、た、たいおんけい?」
「計って」
「……うん」
ソファーに私を座らせると体温計と常温の水を渡す悟。
ありがとうとお礼を告げて体温計を脇にさし音が鳴るまで待つ。
「薬もってくる」耳元で聞こえた声に軽く返事をしては遠くなる気配に神経を研ぎ澄ます。
が、ユラユラと揺れる気配。
可笑しいな、と疑問に思った時体温計が小さく音を鳴らした。
「げ」
「見せて」
「あ!」
いつの間に戻ってきたのだろう。
体温計の温度を確認したと同時に消そうとした矢先目の前から消える体温計。
思わず顔を上げると向かいには悟が難しい顔をして体温計を見つめていた。
そして電源を消すと私に目線を合わし救急箱から風邪薬やらのど飴、鼻水、咳、頭痛、と症状にあった薬をこれでもかと取り出した。
むしろ何その大きな救急箱、ランドセルぐらいあるじゃん。
背負うんか。
「38.4度もあるのに平気だね」
「自覚症状はない…かな、あ、けど、喉は少し痛い」
「見せて」
「うい」
「舌出して、扁桃腺腫れてたら病院行くよ」
「あい」
「舌、もっと突き出して」
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時