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ホテルは嫌だ。
自分の家じゃない誰かの空間。
限られた生活、限られた時間。
せめて別荘にでも泊まると言えばよかった。
見慣れた街の景色を何階もの高さから見下ろす。
ふわふわとしたそれは至る所に居る。
式神が腹を見たそうと手当たり次第に口にするけれど当の私は夕食すら口に入らない。
ルームサービスを蹴ってベッドに横になる。
仕事してる時が1番何もかもを忘れられるのに。
嫌だ。
掛布団を頭まですっぽり被り丸くなる。
早く仕事しないと……。
そう思って寝ようとした時部屋に軽いノック音。
不審に思い時計を見れば20時過ぎ。
携帯にも依頼者からのメールは入っていない。
誰だろうと思いしっかりとドアにチェーンをかけては「今出ます」と深呼吸。
「…誰ですか?」
「はじめまして」
なんという色っぽい声。
女の人、にしては背が高く顔半分は髪で隠れていてわからないが胸の膨らみはある。
おっきいな…とまじまじと見ていると「今回貴方と同行するよう頼まれた冥冥よ」と聞こえた。
同業者……。
一旦扉を閉めてチェーンを外す。
「改めてはじめまして、Aちゃん」
いい匂いと柔らかいその声に私はぼーっと魅入る。
小さく笑う冥冥にAはハッとして頭を下げては名前を名乗る。
初めて女の人と一緒に仕事をするんだ、と私はどこか新鮮な気持ちで冥冥さんを凝視していた。
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「美味しい…」
「それは良かった」
夕飯は?と突拍子もない事を聞かれて私は咄嗟に「まだです」と答えてしまった。
ただ単に食欲がないから部屋にいたのについ口が先に動いていた。
それから彼女、冥冥さんに手を引かれてお気に入りのお店として連れてこられたフレンチレストラン。
「フルコースで」とメニューを持ってきたウェイトレスは少し体が揺れるがすぐに頭を下げて厨房へと戻って言った。
常連…なのかな…。
そんなことを考えながら料理が来るまでまたもや冥冥さんが頼んだワインを味わう。
普通に美味しい。
いや、そもそもワインなんて年に2回も3回も飲まないのに美味しいと感じてしまう。
ほわぁ…と甘い匂いでいて味はキュッと喉が締まるアルコール度数だが後味にほんのりとした果実の味がする。
「フルコースと言ってもそんなに量は無いから食欲がなくても食べられる」
「……」
「そう硬くなる必要は無いし警戒する必要も無い」
「え、あ…」
「私はちゃんとお金が入ればそれでいい」
「はぁ…」
「ふふ」
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時