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恋愛ってどうしてたっけ、と頭をお湯で流す姉さんの背中を見やる。
所々細かい傷があるけれど1番目立つのは右肩から左の脇腹にかけての2本の爪痕。
僕を庇った時に出来た傷は当時はオドロオドロしかったが時も経てば薄く淡いピンク色になっている。
ぼーっとその背中を見ていると姉さんがボディソープをわしわしと手で泡立てていた。
ほんっとに全裸なんだけど。
ありえない。
考えられない。
タオル1枚も付けてもらおうとしたけど僕が服を脱いでる隙に「でかいお風呂だー!」と走っていくものだから本当に呆れた。
マジ?と素で声が出たが姉さんからの反応はなかった。
「背中洗って!」
「やだ」
「悲しい」
うう、とどこぞの親父か、と思うほどゴシゴシと体を洗う姉さんに色気の“い”文字などない。
シャワーで泡を落として湯船に入ろうとしてくるので顔を背けた。
「っかぁぁ〜……」なんて隣から聞こえたけれど触れない。
1人にしては大きすぎる浴槽は2人にしては丁度よくて姉さんに目を向けてしまった。
ふんふーんと鼻歌を歌いながら浴槽に顎を乗せて両腕はダラりと外へ飛び出していた。
「肩まで入りなよ」と注意すると「はぁい」と両腕をしまう。
本当、なんで姉さんなんだろ。
全くの他人で、全く知らない人で、全く周知もしてなかったら、恋愛できたのかな。
なんか、もう恋愛ってなんだっけ……。
僕も久しくしてない……。
「ねぇ」
「んー?」
「姉さんって恋愛経験ある?」
「あると思われてるわたすぃー」
「今のでわかったわ」
「あ、でも初恋はあったかも」
「は……?」
思わず目を向けるとニヒヒと悪戯っぽく笑う姉さん。
誰か聞きたいけど「ふーん」と興味のない反応をすると姉さんは「聞きたまえ!」と立ち上がる。
辞めて、ほんと。
たわわな胸が揺れる。
あーもう。
「私の初恋の相手はなんと!」
「……」
「ななみんだ!!!!」
お風呂場にエコーする声。
けどすぐに嘘だとわかる。
だってチラチラと僕の反応を楽しみにこちらを見るから。
「どう?驚いた?」と近寄ってくる姉さん。
馬鹿だね。
「ソウナンダネー」なんてお風呂を上がろうとするとぐっと肩を掴まれる。
この筋肉ゴリラが。
「100数えてないよ」
「え?まだその年で100数えて出てるの?」
「歳関係ない!ダメ!絶対!」
「はぁ……早く数えて」
「いーち、にー、さーん、しー、ごぉー」
姉さんの声がお風呂場に木霊する。
寝そう。
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時