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あれから泣き疲れて寝た姉さんをじっと見つめる。
胸を揉めば「若くない」と言うし。
キスをすれば「唇カサカサだよ」と泣くし。
直接胸を触ろうとしたけれど止まらなくなりそうで辞めた。
だって、反応する姉さんにどう耐えろって言うの。
寝ててくれた方がまだ良かった。
流石に日も暮れて来たが構わず僕はボーッと姉さんの顔を見る。
その時空腹を知らせるお腹の音が聞こえて小さく笑う。
「もしもし伊知地?コンビニでいくつかおにぎり買っておいて、10個くらい、僕も食べる、むしろ棚にある物全部買ってきて」
スマホの時間を確認してゆっくりと姉さんを抱き締める。
よいしょと立ち上がり来た道を引き返す。
足音は鳴らない。
ただ姉さんの小さい寝息だけが僕の耳をかすめていく。
しんと静まりかえるトンネルの中。
この世界が僕と姉さんだけならいいのに……けど姉さんはそう思ってないでしょ?
僕だけ好きなんて嘘つき。
ただ、人より好きが多いだけ。
僕の好きとは違う。
「早く僕と同じ“好き”になって、A」
おでこに軽くキスをして目隠しをなおす。
今日はまともに僕も寝れそうだよ。
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「逃げない、我慢する」
「ぅう……ぐ……しょ、しょうこぢゃ……」
「あー……カサブタになってるねー」
「いたたた!染みる!染みる!」
「ばあか、動かない」
目の前で硝子に抱きつきながら頭の手当をされる姉さん。
暗くて気が付かなかったけれど隅々まで車が来るまで観察してたら爪先が赤くなっていた。
土?とも思ったけれどよくよく見たら血で怪我してる!と慌ててしゃがんで確認したけど見つからなくて姉さんが起きたのは学校に着いてからだった。
硝子に押し付けるように姉さんを引き渡すと「珍しい」と笑われた。
いいから手当して、と雰囲気で訴えると「おいでAちゃん」とポケットからいちご飴でおびき寄せた。
犬か。
「お風呂入れる?」
「入れるけどしばらくはお湯で我慢ね」
「しゃ、シャンプーはダメ?」
「念の為ね」
うぐぐ、と堪える姉さんは子供みたいで可愛い。
そんな大人しい姉さんを他所に大袈裟に頭に包帯を巻く硝子。
できた、と最後に姉さんの頭を撫でてまたポケットから飴を取り出して「レモン味!」と喜ぶ姉さん。
隣で伊知地が何か言いたげにそわそわしてたので「何?」と聞けば「いえ……」と返ってきた。
もちろん視線は姉さん。
姉さんが居るのに他に視線は向けたくないんで、僕。
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時