【安室透】私はブサイク専門【降谷零】

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お騒がせしました、と梓さんに頭を下げたのは開店前。

おはようございます、とこれでもかとしゃくれた顎で安室さんに挨拶をしたのがついさっき。

おまたせしました、と常連さんにコーヒーを届けたのは今。

そして日曜のこの時間に来る私のお気に入りのお客様。



「こんにちはAさん！」

「こんにちはA姉ちゃん！」

「蘭ちゃんにコナンくん、こんにちは」



この2人は姉と弟ってくらいに仲がいい。

そして微笑ましい。

あぁ、私の天使達。



「今日は2人にこのケーキをあげよう…ふっふっふっ…」

「ロールケーキ！？ついに完成したんですか！？」

「すごーい！A姉ちゃん頑張ってたもんね！」

「いえす…思考に思考を重ねた女性を虜にするロールケーキ…その名も豆乳ロールケーキ！！！」



ドーン！とバックを光らせて発表するAに梓さんが「よっ！期待の星！」とノリに乗ってくれた。

おめでとうございます！なんていう蘭ちゃん好き。

お姉ちゃん天才！とか言ってくれるコナンくん好き。

僕も食べてみたいですは空耳。



「食べて食べて！いっぱいあるから！」

「わぁ！いいんですか！」

「うんうん！それで値段決めてないから値段とかアドバイスくれたらなーって」

「えぇ！そんな大役いいんですか！」



蘭ちゃんが目を見開いて私と梓さんを交互に見るも梓さんは「いいのよ」と笑顔で了承。

そんな大役…と恐る恐るフルーツたっぷりのロールケーキにフォークを入れる蘭ちゃん。

いつしか注目の的が蘭ちゃんになっているのか他のお客も何事かとカウンターへと目を配る。



「……ん！！」



蘭が口に含み数回噛むと口元を抑えて驚く。

私も口を閉じたまま驚き身を乗り出す。

梓さんは1人テンパってコップを拭きながらこちらに走ってきた。

ごくん、と喉が動くのを確認して私は口を開く。



「ど…どう…？」

「すっごく美味しい…」



ほわぁぁぁぁ…。

力が抜けてカウンターに突っ伏した。

梓さんは「良かったわねAさん！」と飛び跳ねている。

それからコナンくんも食べては美味しい！と大きな声で言ってくれた。

この１ヶ月頑張ったかいがあるよ…。

そう、今回のこのロールケーキは卵不使用でなおかつアレルギー対策をしているケーキなのだ。

涙がちょちょぎれるー…と言った私の頭を梓さんはよしよしと撫でてくれた。









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「お疲れ様でしたー」

「おい兄ちゃんその脇のでっかいタッパーの中身返せや」

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