33 ページ33
.
やって来ました。
とうとうこの日が。
いやー、幸せー。
「今姉貴に近寄ったら殺される…」
「いいからさっさと迎えに来たって伝えてきなさい!」
「怖い」
「お義姉さん余計機嫌悪くなるわよ…」
この見慣れた風景はやっぱ田舎だな、と強く頷く。
飛行機乗って、電車乗って、バス乗って、まぁなんていい所でしょう。
空気が美味しすぎて浄化されそうだわ。
はっはっはっ。
「姉貴!迎えに来た!」
「こんにちは!いつもお世話になってます!」
「やあやあ、我が弟の春来に美しい嫁の紗友里さん、こんにちは」
挨拶を適当に済ませて弟の車に乗り込む。
うん、隣に天使がおる。
後部座席の後ろにはすやすやと眠る長男。
いくつになった?と聞けば2歳だよ、とこちらを見ずに春来が教えてくれた。
2年経つのかー…。
早いなぁ…。
「おかえりなさい、A」
「帰ってきたくなかったよ、まじで」
どこぞの旅館?と初めてきた人なら思うであろう大きな門構えに広い庭、そして歴史を刻んできたであろう家の風貌に毎回圧倒される。
この門をくぐって入ってしまったらおしまい。
そこからは母の天下だ。
「はよ来なさい、そんなとこに突っ立ってないで」
「足が動かない」
「部屋はとってありますからね、さっさと着替えておじいちゃんとおばあちゃんに挨拶してきなさい」
なるほど、私のスルースキルはここで鍛えられたのか。
なるほどなるほど。
私の声など届いていないようにお母さんはさっさとその場から離れていった。
なんやねん、とまずここで不機嫌になる私は子供である。
「春来私の車の鍵とって」
「ほらよ」
「さんきゅ」
この家を出る前に置いていった私の車は売られることもなくまだあった。
だから挨拶にいけと言ったのか…と約10年ぶりの帰省に時代を感じた。
老いとは怖いものだなぁー。
あーやだやだ。
.
「よー、じいちゃん、ばあちゃん、元気ー?明日私お見合いなのー、最悪だよねー…まぁ、なんつーか?今までのツケが回ってきた感じ?だとしてもお見合いはやだよ、自分の決めた人ぐらい見つけてきてもバチは当たらないと思うんだよねー…はぁ…愚痴と報告一緒になってしまった…ごめんね…ま!次はいい報告持って来るからさ、首を長くして待っててよ…」
これお土産、とAは墓石の前にわらび餅とスルメを供える。
最後に「今回の彼氏が最後だよ」と付け足してAは笑った。
1661人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
+ちっく(プロフ) - ぬこぬこさん» コメントありがとうございます(*´ω`*)いくら有名な探偵でもちょっとのお色気はお約束なので安室さんにも織り込んでみました(・∀・)楽しく見て頂けるようにと投稿しているのでそのように言ってくるととても嬉しい限りです(*´ω`*)コメントありがとうございます!! (2019年3月10日 1時) (レス) id: 0aa7522e6f (このIDを非表示/違反報告)
ぬこぬこ(プロフ) - 安室さんが冷静な目で谷間ガン見してるの想像したら腹痛いwww (2019年3月9日 13時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます!!誤字脱字の指摘本当に感謝致します(´;ω;`)読んでいる方にもちゃんと理解して貰えるように誤字脱字を少なくしていきます!(;ω;´)読んで下さりありがとうございます! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 6cb750888f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 39話に誤字がありました。「飲んだいた」ではなく、「飲んでいた」です。 (2018年7月15日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 1話に誤字がありました。「楽しうな」ではなく、「楽しそうな」です。 (2018年7月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:+ちっく | 作成日時:2018年7月9日 17時