・ ページ13
「___ここで、ターンして、」
いつものレッスン室。
今日はライブのための振り起こし。
俺らがずっと待ち望んでいたデビューライブが
すぐ目の前にあるなんて、
どうしても信じられなかった。
「…でも、本当なんだもんなぁ、」
「ん？あべちゃんどうかしたん?」
休憩中の独り言のつもり。
でもそんな一言さえ仲間は拾ってくれる。
「いや、なんか信じられないなーって。」
「そやねぇ、やっとやもんね、」
「うん、やっとだね。」
そっかぁ、やっと、生活が変わるのかぁ、
なんて一人で感情に浸ってたんだけど、
「うぇっ！？ちょ、あべちゃん‼︎」
この声で我に帰る。
「どうしたの、康二。
なんかあった？」
「なんかあった、って… 鼻血出てるやんか!」
「ふっかさん！ティッシュ‼︎」
遠くからふっかが『どしたー？』なんていう声を聞きながら
自分の鼻を触ると、
「……あ、ほんとだ、」
指につくのは真っ赤な血。
「ほんとだ、じゃないねん笑
ほら、抑えんかい!」
「おーおーおー、大丈夫かぁ？」
「ふっか、どしたぁ？」
「あべちゃん鼻血！」
「じゃあレッスンもうちょっと休憩ね」
なんでかなぁ、興奮して血でも昇ったのかな。
結構な力でふっかと康二に押さえつけられる鼻。
それでもなかなか鼻血が止まる気配はなくて。
「ちゃんと座ってるんやで?」
「そうそう、貧血も怖いしね、」
レッスン再開の時間になっても
まだまだダラダラとこぼれ落ちる血に、
俺は結局レッスン見学。
「大丈夫だって、ちゃんと座ってるから。」
レッスン頑張れ、と背中を押すと、
心配そうな顔をしながら照達の元へ駆けていく二人。
なかなか止まんない血を
必死になって止めようと鼻を押さえてる間に
なんだか視界がくらくらしてきた気がして、
ふ、と目を閉じると一瞬で眠りにつけた。
んーん、多分これが、気絶ってやつなのかもしれない。
まだまだ始まりの日。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 605人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とまと(プロフ) - お身体お大事にしてください。楽しみに待ってます!! (6月25日 13時) (
レス) @page31 id: 11c55bff94 (このIDを非表示/違反報告)
Kkkkkkkkkkkk(プロフ) - no-さん» リクエストありがとうございます！いい感じの構成を思いつき次第書かせていただきます！ (5月24日 23時) (レス) id: f0909bd81a (このIDを非表示/違反報告)
no-(プロフ) - リクエスト失礼しま す！白さんで、モデル業の影響で痩せすぎてダンスしてもすぐ息が上がっちゃって焦って過呼吸とかお願いしたいです。白さんの病系少ないので、ぜひ宜しくお願いします🙏 (5月24日 20時) (レス) id: 4c4a06924e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：乃偉 | 作成日時：2023年5月19日 21時
