【鬼滅の刃】貴女しか知らない彼の顔。【短編集】

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見たことない程の怒りを顕にした彼に短く悲鳴をあげてしまう。








「ッ、すまない。怖がるようなことはしないと誓ったそばから……」





私の表情を見て我に返った杏寿郎さんはすぐに身を引いた。



そして押さえつけられていたせいか、少し赤くなった私の手を労るかのようにそっと口付ける。






『…私の方こそ、軽率な発言をしてしまいました……申し訳ありません。』






彼は大きく息を吐くと、私の首に顔を埋めた。






「頼む、驚かさないでくれ……」




相当焦ったのか、杏寿郎さんは深呼吸を繰り返している。





「慣れも経験も俺で積めばいいだろう。
君が他の男と触れ合うだなんて、考えただけでも気が狂いそうなんだ…」




『本当にすみません。失敗して、幻滅されることがどうしても怖くて……』





謝罪の意味も込めて彼の首に腕を回す。





「幻滅するはずがない。
どんな君も俺にとってはただただ愛おしい存在なんだ。」






『私も、もっと貴方の愛に応えられるようになりたい。
ですので……これから、たくさん教えてくださいね？』









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「はっはっはっ！若気の至りというやつだな！
今やAもすっかり甘い接吻をしてくれるようになった！」




『は、はい！杏寿郎さんのご指導の賜物です！』




「れ、煉獄……継子になんつー指導してんだよ……」




「宇髄。そんな目で俺を見るのはやめてくれ。」




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