商売上手【煉獄杏寿郎】 ページ22
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単行本九巻以降を未読の方は若干ネタバレになります。
とりあえずめちゃくちゃ捏造。
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「お前の嫁、一週間借りるわ。」
宇髄にそう告げられてから今日が七日目。
彼女が何をしているのか、どこにいるのかを彼に問い質すことが出来ずに迎えた最終日だ。
「(本当にはぐらかすのが上手い男だ。)」
連絡が途絶えていることもあり、とにかく気が気でない俺は繁華街を歩いて気を紛らわすことにした。
昼時で人が多い中、何故だかとある二人の男の会話を耳が鮮明に拾った。
「知ってるかい?
吉原の遊郭がとある花魁のお陰でまた繁盛してんだとよ。
どんな男でも狂ったようにその花魁に貢ぐようになったとか。」
「そりゃ間違いねェ、妖の類だ!
そいつらは狐に騙されてんだ!」
「そう言ってお目にかかった男はみんな虜にされちまってんだよ。
ああ、名前は何だったか……」
そんな身も蓋もない噂話が、どうしてだか他人事のようには感じなかった。
そして男が弾かれるように言ったのだ。
「そう、A花魁だ!」
俺の愛おしい女の名を。
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「君を買おう。」
屋敷の中で最も豪勢な襖を開け、開口一番にそう告げた。
『あら、とうの昔に身も心も無償で差し上げたつもりだったのだけれど。』
中にいたのは、そんな飾り付けられた部屋が霞んで見える程に美しい女。
その女は待っていたと言わんばかりに微笑む。
「ほう、俺に心身を捧げた身でありながら他の男を遊ばせていたと?」
『誤解はしないでくださいな。』
俺が青筋を立てているのにも関わらず、いくらか年が上の彼女は煌びやかな着物の袖で口元を隠し、艶やかにくすくすと笑う。
『どなたも形だけの対応で満足そうにお帰りになられるのよ。
私が既に一人の男のものだとは知らずに、ね。』
彼女は俺の手を取り、そっと引き寄せたかと思えば触れるだけの口付けを落とす。
『ふふ、これは世界で貴方だけの特別よ。』
「…とんだ商売上手だ。
俺を煽ったこと、後悔はするなよ。なあ、A?」
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『上弦の鬼のお陰で崩壊した吉原を立て直す為、利益を引き上げる遊女が必要だったのです。
ちょうど近くの森に鬼の目撃情報もありましたので、お引き受け致しました。』
「なるほど。とりあえず宇髄は締め上げるということでいいか?」
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凪 - 貴方様の描く冨岡さんが好きです(( (2020年2月3日 14時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
せんか(プロフ) - 美桜さん» 今回も気に入っていただけたようで安心しました。リクエストのリピート承りました!いつも自分では思いつかないようなネタのおすそ分けをしてくださりありがとうございます!今回は早めに取りかかりますので、少々お待ちください。 (2019年12月19日 11時) (レス) id: 6317096ed8 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - お館様原作無視の設定でお願いします。 (2019年12月19日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - またリクエストいいですか?夢主柱で夢主煉獄恋人。夢主はお館様悲鳴嶼に告白&アプローチされる。お館様独身。お館様悲鳴嶼は夢主が煉獄と恋人だと知っている。お願いします。 (2019年12月19日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - せんかさん» ありがとうございます。話面白かったです。 (2019年12月19日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せんか | 作成日時:2019年12月1日 18時