悪魔の秘密と恋と嘘2【桃】

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婚約してもなお、淳太くんとは会えずじまい。


それより、前より会う回数が減った気がする。

これじゃあ、なんか…
私キープされてるような気がした。

そんな事ないはずなのに
これが当たり前だったのに。


望くんの優しさを知ってしまって
なかなか淳太くんに会えなくて少し寂しくなっていた。



神様って意地悪だ。









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望「おねーさん」


「………」



なんで、目の前に望くんがいるのか。



望「っ…逃げんとって」


「……望くん、離して…」


望「…お願いやから、話聞いて」


「……っ」



会社の帰り道。

望くんが私の住んでるマンションの下で待っていた。

それを察して裏から入ろうとしたけど
1歩遅かった。



望「話がしたいだけやねん」


「……ストーカーやで、望くん」


望「うん知ってる」



けど、

と望くんが言う。



望「おねーさんに、どうしても会いたくて」



望くんは、ずるい。



望「もう、伝えたいこと伝えたら、
おねーさんに一切関わらへん」



やから、話を聞いて

と言って瞳を揺らす望くんは、ずるい。


ずるいよ、ずるい…



望「…あの公園でも行こう」


「……」



やっと忘れられそうな頃に
望くんはふらりと現れる。


左手を取られ、ふと望くんが振り返って
私の薬指を見る。

一瞬だけ驚いた顔をした望くんやけど
そのまま何も言わずただただ私の手を引き
歩き出した。







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