悪魔の秘密と恋と嘘2【桃】

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長い夢を見ていたような気がする。


気がつけば目の前には望くんと、私と、淳太くんがいて二人とも手をこちらに差し出している。

そんな二人を見て、私は迷ってる。

私が私を見てるなんて、
幽体離脱みたいだなぁ。なんて。


……私は、どっちに行くんだろう。



『A、おいで』



凛々しい顔で微笑む淳太くん？



『おねーさん、こっちやで』



それとも、優しい笑顔を向ける望くん？


私は…どっちを………









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「…………」



ふと目を覚ますと、白い天井が広がっていた。

呼吸がしづらく口周りにはなにか嵌められている。

あと……思うように全身が動かない。


何とかもがいてみると、分かったことがある。

……ここ、私の家じゃない。


よく周りを見渡すと………


…………病院、…？



「…………」



そして、ベッドの横には…



「……！」



それが目に飛び込んだ瞬間、胸が激しく鳴った。

…私の大好きな、いちごミルクが置いてある。

いちごミルクを買ってくれると言えば……


……なんて、彼がいるはずない。


ひとりぼっちの病室で、私は記憶をたどった。

確か私は買い物に出掛けたはず。

そこから………


あれ、何があったんだ？


うーん、うーんと思い出そうとしても
そこだけぽっかり穴が空いたみたいに記憶が無い。



「………」



考えていても仕方がない。


ナースコールは、どこだ？

そう身体を動かそうとした瞬間、









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望「………っ、おねーさん…？」









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